【文スト】私が成りたかったのは彼女でなく彼【成り代わり】 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:128,809 hit

噺、１６ページ16

「次はこれ！」「嗚呼似合う･･･！」

「･･････」

なぜ私は探偵社員の着せ替え人形になったんだろう

ぬいぐるみが手から離れて、机の上に倒れた

ガチャ

扉が開いた

「おはよう御座いま･･････」

パシャッ

あ、この人また写真撮った

「ちょっとくるくる回ってみて！」

「何やってんすか」

嗚呼人虎。私もその意見に賛成

元着ていた服に着替え、人虎が問う

「で･･････何がどうなったらこんな事に？」

「いやァだって彼女何着ても似合うンだもの」

「やそこではなくて」

褒められた･･････之は、喜んでいいのかな？

「＿＿譬えば乱歩さんなんて特にこの手の規則を気にするんじゃあ」

乱歩さん＿＿江戸川乱歩

推理小説と云えば、彼の名が最初に上がる

「あそれは大丈夫」

ガチャ

「ただいまぁ〜！」

扉をバンッと開けてきたのは、その乱歩さん
この世界では探偵らしい

「これ先刻話した寝ると色が変わるお菓子！練っていいよ！」

でも、探偵とは思えないような子供っぷり

「わぁ･･････」

ねるねるだ。この世界にもあるんだね

「でも食べるのは僕だけどねー」
「･･････」

取られた
ぬいぐるみを持って、ねるねるねるねを食べてる乱歩さんを見る

と云うか、先刻ポッキー食べてたんじゃ、、

「＿＿指名手配は時間の問題か」

「！」

指名手配

そうだ。私楽しんでいては駄目なんだ

「身元引受人が居れば別だが」

身元引受人何て、誰も居ない

姐さんはきっと私に落胆した事だろう

だから帰れない
帰ったとしても処刑だ

私は社長さんの前まで歩いた

「私には夢がある」

「「！」」

芥川さんにも云った言葉

「私は今、家族が居ない。もうマフィアじゃないから仕事も無い･･････でも必ず叶えたい夢がある」

私が彼女(彼)になったのは何故かずっと考えてた

でも答えは出なかった

「何故私が私なのか、分かる人は此の世に一人も居ない。それを探す為にももっと時間が必要」

探偵社の人達は私を見ている

「私の名はA。55人殺した」

私の躰では無いこの躰(私の躰)で

「私は彼の人(芥川)に殺人の他に何も出来ないと云われた」

「え？」

「そうかもしれないけれど･･････夢を叶え自分の存在を知り、そうでは無いと自分に証明したい」