No.69 ページ19
．
車が停まったのは病院ではなく、家と事務所から少し離れた 知らない街の知らないマンションの前。
「行きましょう」
有無を言わせず歩き出した樹くんを慌てて追いかける。
樹くんがポケットから取り出した鍵でエントランスのオートロックを開けると、2人でエレベーターに乗り込んだ。
「どうぞ、入って」
そしてたどり着いたのはそのマンションの一部屋。
訳も分からないまま玄関へ入れば、新築の匂いがした。
健太の家よりは小さいけど、1人が住むには十分広い部屋。
置かれている家具はシンプルにまとめられていて、カーペットの色や小物ですぐに女性が住む家だって分かる。
『ここは……？』
後ろを振り向くと、樹くんが目を合わせないようにしながら近付いてきて私の手を取った。
「これ、Aさんに」
そして掌に乗せたのは、さっきこの部屋の扉を開けた鍵と何かのカード、そして4桁の数字の書かれた小さなメモ。
「この部屋の鍵とキャッシュカードです。暗証番号はメモの通り。気にせず好きに使えばいいって、健太さんが」
『……は』
どういう、こと？
「この部屋、大体のものは揃ってるみたいですから」
『樹くん、』
「どうしても健太さん家に置いてきたもので必要なものがあれば連絡してください」
『ねえ』
「俺が代わりに取ってき『樹くんっ！！』
大きな声で遮ったら、やっと口を閉じて私を見た。
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熊猫(プロフ) - コトリさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ありません🙇💦以前からコトリさんの作品を読ませていただいていたので、コメントいただけたことにビックリしながらもとても嬉しいです！読んでいただきありがとうございました🙏✨ (2022年9月6日 12時) (
レス) id: 909b68a48b (このIDを非表示/違反報告)
コトリ(プロフ) - はじめまして。完結からだいぶ経ちますが作品読ませていただきました！ほんっとうにおもしろかったです…。宛書きですか？というくらいリアルで、脳内でドラマ化…。健太さんのクールな部分と柔らかい部分も読みごたえ抜群でした。素敵な作品ありがとうございます。 (2022年5月6日 11時) (レス) id: 16f707b051 (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます😭🙏✨色々伏線を張ってはいたものの本心まではたどり着けていなかったので、この番外編でお話できて良かったです😂最後まで読んでいただきありがとうございました🙇♀️ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - Kazumiさん» コメントありがとうございます🙏✨自分の書いたお話でそこまで楽しんでいただけたかと思うと飛び上がるほど嬉しいです😭本当にありがとうございました！ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - 余白のむらさん» 本当ですね😢余白のむらさんのコメントを拝見して、壱馬さんに別の素敵な相手が見つかるスピンオフがあっても良いかも…！と思いました☺️最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：熊猫 | 作成日時：2021年9月9日 17時
