No.35 ページ35
．
「ふは！ごめんごめん。
ちょっとからかうだけのつもりだったんだけど、ビックリさせちゃったね」
目の前の与那嶺さんは、鮮やかな紫色の髪をわしゃわしゃとかき混ぜながら笑ってた。
「マジでうちの店員いじめるのはやめてくれ」
「すみませーん」
親しげに話す2人。
与那嶺……前に聞いたことがある気がする。
「改めまして。一応幹部やってる与那嶺 瑠唯です。
気軽に瑠唯って呼んでね〜」
『初めまして、Aです、、』
ニコニコと笑う瑠唯さんは、幹部だとは思えないほどやわらかい空気を纏っている。
「なんでここにわざわざ？」
「いやあ、やっと陸さんとの仕事落ち着いてさ。
俺の健太を奪った恋敵の顔見たくて来ちゃった」
「来ちゃった〜じゃないから。
まだ店開けとらんのに……あと恋敵とかやめろ」
大きなため息をついた山彰さんを見てケラケラ笑ってる。
完全に置いていかれている私。
それに気付いた山彰さんが「健太と瑠唯、このチーム入る前からの知り合いなの」って教えてくれた。
なるほど。
健太からは瑠唯さんの話を一度も聞いたことないけど。
……まあ、健太は普段からそういう話しないか。
1人で考え込んでたら、また入口のドアが開く。
「瑠唯さん！ここにいたんですね？！
もうそこらじゅう探しましたよ！！！」
赤色の髪をした人が、大きな声を張り上げながらこちらに駆け寄ってきた。
「あは、ごめんね」
「事務所まで上がったのにいないって聞いてビックリしましたよ、もぉ〜」
その人は、山彰さんの姿を見つけると途端に姿勢を正した。
「山彰さんお疲れ様ですっ！」
「瑠唯のこと目ぇ離さんと見とけって前言ったよなあ、翔平？」
「すみませんッ！！！」
綺麗に90度腰を曲げた、翔平くん。
きっと瑠唯さんに付いてる人。
なのになんで山彰さんにここまでビクビクしてるんだろ？
山彰さんはからかって怒ってるだけなのに、冷汗をかきながら真剣な顔で謝る翔平くんに笑いそうになる。
面白い人、なのかも。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 716人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
熊猫(プロフ) - ひなさん» ひな様。とってもあたたかいコメント、心に染みました；；更新頑張ります！ (2021年9月8日 20時) (
レス) id: 8e1b928499 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 今一番好きなお話です！これからも陰ながら応援しております！ (2021年9月7日 21時) (レス) id: aed219e8c6 (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - るぶさん» るぶ様。優しいコメント本当にありがとうございます！今後も楽しんでいただけるように頑張ります。 (2021年9月6日 22時) (レス) id: 8e1b928499 (このIDを非表示/違反報告)
るぶ(プロフ) - 今すごく楽しませていただいてるお話です。楽しみにしております。頑張ってください！ (2021年9月5日 16時) (レス) id: 6e3ccbc5ee (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - まめさん» まめ様。好きと言っていただけて本当に嬉しいです。これからも楽しんでいただけるように頑張ります！ (2021年8月31日 17時) (レス) id: 8e1b928499 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：熊猫 | 作成日時：2021年8月18日 16時
