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Magic 48 ページ5

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__二口。

彼は、そう名乗った。



「ついでに言うと下の名前は賢治。気軽に呼んでね!」
「先輩、ですよね……?」
「これでも2年だから、Aちゃんの先輩だね」


__君は石原Aちゃん、でいいんだよね?

二口さんは確認するように、私にたずねた。



「……はい」



__ボーン ボーン



「あ、授業始まったねー」



え……。


「さっきの鐘は授業開始の……?」
「うん」


そこらの女の子なら誰でも見とれてしまいそうなくらい、端正な笑顔で二口さんは言った。

やばい、急がないと……!


「それじゃあ、私もう行きますね」


軽く会釈をして、
教室へ走りだそうとした途端__



「二口さん……?」


二口さんは、私の腕を強く掴む。



「ねぇ、A。俺とサボろうよ」
「え……」
「いいじゃん、一時間くらい。
 このまま走っても遅刻に変わりないんだし」
「いや、でも……」


私が断ろうとしても、二口さんは腕を掴む力を緩めてくれなかった。

この力だと無理やり解くこともできないし、
どうしよう……。


.

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作者名:ひつじ | 作成日時:2015年2月4日 18時

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