わたしが選ばれた理由、それは４【オリオンの刻印】 (ページ4)

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こんな驚きはいらないページ4

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「円堂、豪炎寺。ちょっといいか？」

鬼道のそんな呼び掛けに円堂と豪炎寺の二人は素直に頷き、彼らは現在の美琴の状況について話し合うため、円堂の自室へと向かう。そして目的地に着いた先で、円堂が部屋の扉をスライドさせると＿＿

「ああ円堂、ベッドのシーツお前の分も洗濯出しておくぞ？」
「あ、ああ！ありがとな！」

どういうわけか部屋の主よりも先にそこにいたのは、現在進行形でキャンプ内に巻き起こっているこの混乱の、中心人物でもある美琴の姿が。

「「……」」

＿＿ガラガラ。

円堂が開けた扉は鬼道によって閉じられ、そして瞬時に鬼道は円堂へと質問を投げかける。

「なぜ西川がいる！？」
「さ、さあ？」
「円堂は一人部屋、だよな……？」
「そのハズなんだけど……」

三人は揃って、部屋の扉の横に下げられている、その部屋で過ごしている人物の一覧でもあるネームプレートへと視線を向ける。すると、そこには三人が言っていたように、円堂の名前しか表記されておらず、彼のみが使う部屋であることが確かに証明されていた。

では、なぜ西川が……？
そんな疑問が三人同時に思い浮かんだところで、「おーいどうした？」と閉ざされた扉の向こうから、美琴の不思議そうな声が聞こえた。

「なにやってんだよお前ら」

そして今度は美琴によって扉が開かれ、円堂の分も含まれているであろうベッドシーツの丸い塊を両手に抱えた美琴の、訝しげな表情をした顔が現れる。

「あー……えっと、これから練習メニューの相談を……」

なんとか言い訳を、と柄にもなく円堂が嘘を並べていく不慣れなその様子に、美琴は何かを察したようで「俺、これから洗濯に行くし暫く留守にするけど」と気を遣って、三人だけの時間が作れることを遠回しに伝える。

「三人で話したいなら、中でやればいいだろ？」

そして、未だ動揺で一杯の彼らは、美琴の言葉に大人しく従うのだった。

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