わたしが選ばれた理由、それは３【オリオンの刻印】 (ページ9)

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痛みは繰り返すページ9

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「美琴さんは、」

＿＿いつもは、髪下ろしているんですか？

キャンプから少し離れた商店街の中に設置されたポストへ最後のハガキを投函し、紙袋を綺麗に折り畳んでいた美琴に、かけられた声。
物に遮られ、ハッキリとしないくぐもった声を発したのは言わずもがな李子文で、自分の後ろで待機していた彼の方へと美琴は振り向く。

「……うん。普段はね」
「そう、ですか……」

彼の気を悪くさせるようなことを特に言ったわけではないのに、李子文は声を小さくして見るからに滅入っている。

「……」

何に対して落ち込んでいるのか、彼自身が話さない以上言及する気もない美琴は、李子文を一瞥するだけで何も尋ねずに歩く。すると李子文は顔を見上げ、表情の読めない珍妙な被り物の奥、まっすぐな眸で彼女を見つめる。

「気をつけて下さいね」

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「そんな中途半端だといつか喰われるよ」

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なぜか、どういうわけか
湖畔で出逢った『あの少年』との言葉が重なる。

＿＿ズキンッ。

「……うん、分かってる。」

突然現れた、右肩と首筋の小さな痛み＿＿。

美琴はそれを隠すよう、素っ気なく答えると再度前方へと視線を戻した。

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文字数の関係で今回は短いです(^^;

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