わたしが選ばれた理由、それは３【オリオンの刻印】 (ページ38)

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移り変えてくれたセカイページ38

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「でも、私は選べないの」

尋ねては核のある答えを避けられるの繰り返し。
そんなやり取りにいよいよ痺れを切らした不動は「お前さっきから黙って聞いてれば」と呆れたように口を開けた。

「というか、いつもお前は自分の意思がないよな」
「……仕方ないよ」

＿＿私は顔だけで選ばれた選手だから。

彼なりに揺さぶったりつもりではあったのだが、今回も難無しに避けていく彼女に、不動は「はぁー…」と柄にもなく溜め息を吐く。そして彼は続けて「お前が実際どんな動機で『ここ』にいるのかは知らねぇけど」と、どこか不器用に言葉を紡ぐ。

「今を決められないのは、迷うほどのキッカケがあったからじゃねぇのか」
「……」

・

「今日この試合が終わったら、話があります。
　＿＿だから今は負けないで下さい。」

・

何があってそうなったのかは、相変わらず覚えていない。でも、確かに彼はそう言っていた。

前後関係も曖昧な話であるが、それは事実なのだ。

・

「過去に勝て、なんて言わない。
　けどもし、負けそうになったら頼っていいから。
　もう一人で抱え込まなくていいんだ＿＿姉ちゃん」

・

青い彼と、
しばらく顔を見ていない彼の言葉が重なる。

＿＿『駒』のわたしにも

「出来ること、あるのかな……」

思考に耽ていた美琴が突然言葉を発する。
すると、落ち着いた様子で彼女を見つめる不動は瞬きを一つ行い、どこか空虚な彼女へと今度はしっかりと言葉を紡ぐ。

「そんなの自分で見つけるしかねぇだろ」

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過去の重い不動くんに夢主ちゃんの調整を手伝っていただきました(笑)
人を避けがちなこの二人だから出せる雰囲気や言葉があるのかな、なんて考えながら描かせていただきました。

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