ワンテンポ遅れた世界線 ページ4
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『美琴さんは、どこ住まいなんですか？』
基山の先ほどの言葉で、美琴に益々興味を持った緑川が彼女に質問をする。
「東京だよ」
『おー！都会っ子ですね！』
「そう？どこも大して変わらないと思うけど」
「その発言がもうすでに嫌味だけどな」
隣でツッコミを入れる吉良に、美琴は「吉良くんだって、」と昨日調べたばかりの情報を頭から引っ張り出す。
「お坊ちゃんなんだから大して変わらないでしょ」
『そうそう、バカ息子ってな』
「へいへい、俺はバカ息子で結構だよ」
ケラケラと笑う南雲の揶揄いを、吉良は簡単に捌く。すると、自ら仕掛けたはず南雲の顔には『驚き』の一言。そして「お前、成長したんだな」とどこか年寄りじみた言葉を溢す。
「韓国戦のとき、簡単に挑発に乗ってたけどね」
「おいタツヤ、今このタイミングでそれを言うんじゃねぇよ」
「あ、私もそれ見てた。面白そうだったなぁ」
「お前は黙ってろ」
「お前ら、ほんと息ピッタリだな」
『ほんと！』
＿＿俺たち以外で ここまでヒロトのことを言える人は初めてだよ！
画面越しの緑川の愛くるしい笑顔に、美琴は数度瞬きをして「あ、」と言葉を溢す。
「永世学園の緑川くん……」
「お前、今頃気づいたのか？」
若干呆れ顔の砂木沼に、美琴は頷く。
彼女は、プレーは未だ不明な点が多いためなんとも言えないが、鬼道の件で何となく周囲も察したように、とにかくサッカー情勢に疎い。とはいえ現在は出会った当初よりも改善され、イナズマジャパンメンバーの情報はある程度知っている状態にはなったのだが、メンバー以外のフットボールフロンティア大会で活躍した人物までは未だ把握しきれていないようだ。
彼女がよく知らないことを察した緑川は、人懐っこい笑みで「緑川リュウジです」と簡単に自己紹介をした。
「永世学園のMF、だよね？」
『はい！それです』
「よろしく。私は＿＿＿＿」
『西川美琴さん、ですよね？』
「……知ってくれてたんだね。ありがとう」
『いえ！タツヤ達のチームメイトですから』
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作成日時：2019年1月26日 11時
