特別な態度 (ページ38)

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第37話心構えページ38

私は必死の覚悟でその部屋を出て出口を探す。

来た道を戻るだけ。

それだけなのに…。

「え…」

何度何度来ても同じ部屋に戻ってきた。

「…」

ゾロさんが折角くれたチャンス。

それを無駄には出来ない。

私は焦っていた。

「…！」

気づくと私の目の前に男性が立っていた。

この人も敵の仲間かもしれない。

私は桜嵐の鞘に手をかける。

「初めまして。お嬢さん」

黒い帽子を被って話すのは白い髭があるお爺さん。

何処かの手品師のようにも見える。

「…」

「私はベール海賊のミセラです」

「さぁ、貴女には______」

「ここで死んでもらいます」

そう言ったその人の手にはステッキが握られて居た。

「剣士さん…ですか」

ミセラは私を上から下まで見てから

「剣士と言うには……まだまだですね」

それは私の足が震えているから。

初めての本当の戦い。

練習じゃない。

失敗すれば命を落とす。

でもやらなくちゃならない。

ゾロさんはあの状況で命を張ってくれた。

私を守ってくれた。

だから私も。

「…」

私はゾロさんから貰った髪紐を腕から外し髪を結う。

緑と黒の配色。

「ふぅ…」

長い髪が纏まり視界が開ける。

そして黒い鞘の刀を引き抜いた。

桜嵐。

私は桜嵐をミセラに真っ直ぐ向けた。

「私は______」

「貴方を倒します」

私は戦う。