第32話 潜入 ページ33
私たちが大きな扉を開けるとステンドグラスで作られていて日が零れてキラキラ輝いていた。
多分この場所はバージンロード
「誰か居るか？」
「失礼します…」
そう言い歩いていくと奥から人が出てきた。
「ご予約のお方ですか？」
スーツを着た女性が出てきた。
髪の毛をお団子にして如何にも清潔感がある人。
「いや、予約はしてねぇんだがこの式場の噂聞いてよ。見ることって出来るのか？」
するとその女性は私たちを上から下まで見る。
そりゃそうだ。
服は至って普通の方。
ゾロさんはスーツ。
私はワンピース。
そして手を繋いでいるからパッと見はカップルに見えるだろう。
しかし、携帯しているのがいけなかった。
ゾロさんは刀3本、私は2本。
疑わしい目で見るもの当然だ。
「…はい。可能でございます。ドレスのご試着どうなされますでしょうか？」
「ドレスですか…？」
ドレス。
誰かと結婚しないと着れない。
多分、私には縁もゆかりも無いお洋服。
「…」
「着てみてもいいんじゃねぇのか？」
「え？」
「いずれ俺らは……結婚するだろ」
「…！」
その言葉に動揺してしまう。
「わ、分かりました。お願いします」
「はい、こちらへどうぞ」
そう手招きされた方にゾロさんと一緒に進む。
「申し訳ありません。男性の方はこちらでお待ちください」
ゾロさんとの手が解ける。
温かさがなくなりすこし寂しく感じた。
「行ってきます…」
緊張しながらゾロさんの方を見ると
「おう」
ゾロさんは、はにかみながら手を小さく振ってくれた。
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作者名：ベリー | 作成日時：2023年11月8日 15時
