特別な態度 (ページ32)

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第31話ページ32

「まぁ、しかしホント…ここは」

「そうですね…」

私たちが目にしたのは島の半分を埋め尽くすリゾート施設。

そして沢山居るカップル。

それだけでも十分凄い。

そして、半分はキラキラした結婚式場だった。

これは想定していなかった。

てっきり、島の一角にあると思っていた。

ここからでも建物か大きいのでよく見える。

「広れぇなここは」

「確かに広いですね」

そう言っている間も、ゾロさんとの手は船を降りてからもずっと繋いだまま。

私の左手はずっと暖かい。

「…」

「お、着いたみてぇだな」

「よし……いくか」

そう言うとゾロさんは私の指先を絡めこんできた。

「ひゃ」

突然の感覚に変な声が出る。

「なんだだよ…今更始まったことじゃねぇだろ？」

「でも…恥ずかしいですよ」

私はゾロさんの彼女じゃない。

これから人を欺きにいく。

「……我慢しろ」

そう言ってゾロさんは私の手を引っ張り足を進めた。