特別な態度 (ページ11)

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第10話一緒ページ11

そしてゾロさんは私の目を隠す為の少し長い前髪をあげた。

「…！」

それは左目の緑色の目。

私が嫌いな色。

私の目をじっと見てくる。

「…」

「俺と同じだな」

「…え？」

「俺と一緒の緑色だな」

少しはにかみながらそう言った。

初めて言われた言葉。

今まで私の周りでは私の瞳と同じ緑色と同じ人は居なかった。

普通じゃない。

それだけが理由でずっとずっと人に後ろ指指されながら生きてきた。

それが当たり前だと思っていた。

でも、今はこんなにいい仲間に恵まれて…。

こんな優しい言葉も掛けてくれる人と会った。

「…」

「…泣くなよ」

そう言われて私が泣いている事に気づいた。

「ぇ…？」

声も裏声になって頬を触ると濡れている。

「う…」

一気に色んな感情が込み上げてくる。

その時、体を引き寄せられた。

「…」

人の温もりを感じたこと無かった。

「う…うぅ」

安心する。

今では島の人たちも居ない。

私を縛る人は誰も居ない。

今では海賊の仲間になれた。

こんなに嬉しいことはないのに…。

"一緒"

それに勝るものは私の中に無かった。

「うぅ…」

私はそのまま泣きじゃくった。