【男主】平凡なんて無かった。ｐａｒｔ２【死神編】 (ページ8)

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第５３話「興味」ページ8

■時刻深夜３時

狭い路地裏を素早く駆ける音が静かに鳴る。
路地裏を抜けると、月明かりに照らされ姿が見えた。

体中が血塗れ。
しかし彼女は動いて、平気そうにしている。

その時点で、彼女の血ではなく何者かの返り血だと
言うのが分かる。

手には、銀色に光る日本刀。

「今日も弱かったなぁ」

彼女がそう呟く。

タンッと静かに塀に飛び移った。

「あ、帰りに甘い物買って帰ろう」←

恐らくかなりマイペースだ。←

その恰好では、どこにも行けないのに本人は
慣れているのか気付いていない。

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彼女が完全に何処かへ行ったあと。
電柱から人影が覗いた。

蓮「…ふぅん」

いつもの無表情とは違い。
少しだけ興味を持った顔の少女が居た。

蓮「……(泉にでも、聞こうかな)」

蓮の後ろから頼まれたものを抱えた魁が来ていた。

魁「蓮？」

蓮「…お帰り、魁」

魁「何か見てた？」

蓮の視線の先を辿るがそこには何もない。
しいて言うなら･･

魁「(血の匂いがするな…)」

蓮「…別に。ただ、少し面白そうなだけ」

魁「(しばらくは蓮の跡を付けようかな)」←

蓮「…それ、貰っていい？」

魁の持つトランクを呼び指す蓮。
１メートルほどの白いトランクだった。

魁「はい。重いから気を付けて」

蓮「そのくらい持て…る」

予想外に重いのか思わず落としそうになる。
魁が素早くトランクを支えた。

魁「怪我しちゃいけないから俺が家まで持つよ」

蓮「…はぁ、うん」←