第９２話「冷徹」 ページ47
■氷道奏楽との接触 【澪＆蓮】
氷道奏楽side
誰も遊ばないような公園の中。
澪達の視線の先には氷道奏楽が居た。
暫く沈黙が流れたあと、耐え切れなくなったのか
氷道奏楽が口を開いた。
奏楽「あんたら、誰？」
奏楽が目をやるのは、２人が来ている制服。
自分の幼馴染である犬飼由紀と同じ学校の制服だ。
澪「ウチは死神だよ」
奏楽「！…死神…、あんたが？」
明日来るはずの死神が、目の前に現れている。
顔には出さないが、動揺のために手汗が滲む。
どういうことだ。
由紀は裏切ったのだろうか？
奏楽が考えていると、蓮が否定をした。
蓮「今はまだ、裏切ってないよ」
奏楽「い、今は？」
なんで心を読まれたのだろう。
奏楽が疑問に思う中、蓮は言葉を続ける。
蓮「話しをする前に、いくつか訂正しておきたいこと
があるよ。…死神から」
その言葉により死神に視線を移した。
澪の手には日本刀。
自分は今は武器を持っていない。
この状況は不味い。
そう判断した奏楽が逃げようと考えた。
しかし、体が思うように動かなかった。
どういうことだろう。
自分は何か罠にはまったのか。
澪「動けないでしょ？」
奏楽「な、なんだこれ・・・？！」
澪の放つ殺気に、動けなくなっていた。
無意識のうちに奏楽は澪に恐怖していた。
澪「犬飼由紀から散々、弱いとか聞いてたみたいだけど。
残念、ウチ強いから」
奏楽「そ…由紀が…嘘、ついた……のか？」
ありえない。
あいつは誰よりも身寄りがなくなった俺を気にかけて
くれていた。
家族が居なくなってから、周りが腫物のように扱って
いたのにあいつだけは、いつも隣で笑っていた。
彼の表情はまさに�狎篷勝蹇�
澪「よっわ…もっと言ってやろうかと思ったけど
あいつが壊れる前にちゃんと説明した方がいいんじゃない？」
澪が見せる顔は、冷徹。
まさに死神といっていいモノだった。
蓮「そうだね…少し時間取るけど、いい？」
一方、蓮の表情はどこか今の奏楽には安心させるような
雰囲気があった。
静かになった中。
氷道奏楽は、コクリと頷いた。
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年2月13日 19時
