第８９話「推理」 ページ44
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A「犬飼由紀が元から事件の真相を知っている
なら辻褄が合うんだ」
蓮を見るとコクリと頷いて「続けて」と言った。
A「犬飼由紀にとって１０年前の真相は自分に都合
が悪いものだとしたら」
澪「そりゃあ、隠すでしょ」
A「…だから、文字通り隠したんだと思う。
それで、今の状況は氷道奏楽が裏社会に入り事件
の真相を解き明かそうとしている」
自分に都合が悪いことを知られたくない由紀は、
同じく裏社会に入りその真実をなんとか隠そうとする。
けど、その前に裏社会に入るためには死神である
澪を利用して入ろうとしている。
澪「じゃあ、そもそも氷道奏楽を殺しちゃえば全部
解決するんじゃない？」
バッと２人が澪を見た。
澪「え、なに？」
蓮「そうだね、それであってると思う」
澪「あ？そうなんだ」
蓮「多分、表向きは氷道奏楽に従っている犬飼由紀
が居る。けど、その裏では」
チラッと俺を見てきた。
A「い、犬飼由紀が氷道奏楽を殺害しようと計画
を立てていた…？」
蓮「うん、多分」
澪「じゃあ、なに。ウチはたまたま由紀にバレたから
良いように利用されてるってこと？」
蓮「そうだと思うよ。澪に関しては向こうにとっては
ラッキーだったと思う」
確かに。
向こうからしてみれば、裏社会入りしてる死神を脅して
使えるようになったからな…
蓮「で、後ろ盾に関しては澪自身だと思う」
A「？どういうことだ？」
澪「ウチがなんで後ろ盾なの？」
蓮「そもそも、死神に関しては犬飼由紀が自由に脅す事
で動かすことが出来る。
おびき出すのも当然出来るけど…最初の疑問に戻ると」
A「…氷道奏楽では死神は殺せない」
蓮「うん。で、前の監視カメラの様子で会話を見てたけど
何かおかしいとは思わなかった？」
…そういえば。
澪「ウチが死神なのに、そんなに怖がってなくて。
…なんか舐められてた気がする」
A「！つまり、犬飼由紀は氷道奏楽に死神の存在
を教えて大したことがない弱い奴だって言った？」
蓮「うん、そう認識させることも可能」
それで、あんだけ自信満々に「仕留める」とか言えたんだな。
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年2月13日 19時
