【男主】平凡なんて無かった。ｐａｒｔ２【死神編】 (ページ42)

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第８７話「１０年前の事件」ページ42

カタタタッとキーボードを打ち込み、画面に
何かを移しだした。

それを回転させて俺達に見せる。

蓮「コレ、さっき調べた時に出てきた過去の記事」

そこには、犬飼由紀と氷道奏楽の家族事情と思われる
内容が書いてあった。

新聞の見出しには大きく、「火災、原因は薬？」と書かれていた。

巻き込まれた家族の苗字。

〝氷道。″

氷道家の主、氷道修が自室で薬を大量に摂取したあと
精神に異常をきたし錯乱状態になったときに誤まって
ガソリンを家中に巻き、火を放った。

その薬は、近所にあるクリニックから出された錠剤
であることが警察の調べで分かっている。

氷道家の主、氷道修が飲んだ薬からは麻薬と似た作用
を持ち、錯乱状態を起こしたのち謝って多量摂取をし
た可能性がある。

警察はクリニックの事情聴取で、任意同行を求めた。

新聞の断面を見るとそう書いてあった。

A「それが氷道奏楽の家庭だったのか？」

その問いにコクリと蓮が頷いた。

蓮「昔の住所も調べたら、バッチリ同じだった。
　生き残った氷道は氷道奏楽だけ。あとは全員
　焼け焦げたみたいだね」

澪「ふぅん…で、それがなんで弱味とつながる？」

蓮「…ここのクリニック。犬飼由紀の家族も務めて
　たんだよ」

A「つまりは、その事件が関係して弱味を？」

「それも考えられる」と蓮が言った。

澪「けど、可笑しくない？薬の成分に関しては
　クリニックの責任じゃないの？」

確かに、そうだ。

務めていたからと言って、弱味は握れない。
じゃあ、なんだ？

蓮「氷道修の担当医師は犬飼英一って人がやってる」

澪「ふぅん…じゃあ、やっぱ恨みとか？」

蓮「で、さ。思いついたんだけど」

澪の言葉を無視して蓮が、紙に１０年前の事件。
と書きだした。

蓮「１０年前含め、考えてみて」

その言葉がより一層、謎を膨らませた。