【男主】平凡なんて無かった。ｐａｒｔ２【死神編】 (ページ36)

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第８１話「謝り」ページ36

由紀「あの死神でしょ？やっぱり一筋縄じゃ行かない
　気もするのよね…」

不安そうに由紀が呟く。
すぐ側に居る奏楽は、その様子を見て面倒臭そうに舌打ち
をした。

奏楽「いいか、由紀。
　お前がちゃんとしないと、俺にも迷惑がかかる」

…そうなのか？

腕の中に居る栞をグッと抱き寄せ、もう少し耳を傾ける。
栞も突然のことに戸惑ったようで、何も言わない。

…あとで、ケーキを奢ろう。←

由紀「…ごめん」

奏楽「フン、それで？死神に依頼するのはいつなんだ？」

由紀「あ、明後日…」

奏楽「そうか。上手く誘導できれば、俺が仕留めてやる
　から、そう心配しなくていい」

随分と自信満々に言っているな…

しかも、コレは…。
由紀が澪をおびき寄せ、奏楽が仕留める…てことになる。

それだと、明らかに勝つのは澪じゃないか。

一般人と、裏社会に属する殺し屋。
女子と男子の差があっても、実力と慣れの違いがある。

て、ことは…

後ろ盾か何かがある可能性が高い。

とも、言える気がする。

栞「あ、あの…A君？」

A「…」

栞には、出来ればもう少し黙っていて欲しい。
そういう意味を込めて、より強く抱く。

今ここでバレてしまえば、再びの尾行が困難。
一日目はさすがに避けたい。

由紀「う、ん。ありがとう」

奏楽「勘違いするな。由紀とは目的が一致しているだけ
　で、一時的に手を組んだだけだ」

そう冷たくあしらって、奏楽と由紀が分かれたようだ。

その後も、犬飼由紀をばれないように尾行したが。
真っ直ぐ家に帰っただけで、あとは何ともなかった。

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近くの喫茶店に入り、栞に「ごめん」と謝った。

さすがに、やりすぎた気もする。

栞「う、ううん。気にしないで…
　その……嬉しかったし(ボソッ」

最後が聞き取れなかった。
栞がボソボソと下を向いている。

…結構、気にしてないか。

A「いや、栞に不快な思いをさせたから」

栞「ふ、不快じゃないからっ！」

…驚いた。
顔をあげた栞が真っ赤になって、すぐに下を向いた。

その行動は、少し理解出来ない。

A「…栞、ケーキ奢る」

栞「えっ？あ、ありがとう…？」

店員にケーキと飲み物の注文をしてから、蓮から
借りた携帯の画面を触る。

今日の尾行で、分かったことがある。
一度、蓮のマンションに行って話し合いたい。

メールを打って、送信した。