第７１話「天然タラシ」 ページ26
しばらく蓮が仕事で忙しそうにしていたため、
部屋を出てリビングでコーヒーを飲んでいた。
高級豆だな、絶対。
めちゃくちゃ美味い。←
冷蔵庫はなくても、飲み物等は揃えているみたいだ。
リビングの一角にデカい金庫があったし。←
情報が入ってるのか、お金なのか…。
しばらくして、蓮が部屋から出てきた。
A「終わったのか？」
蓮「うん。澪の情報は全て消しておいた。
ついでに男の方の名前も調べ上げたよ」
何この子、ハイスペック。←
２枚の紙を机に上に置いた。
蓮「１人目は、犬飼由紀。守山中学３年、Ｂ組。
澪と同じクラスだね」
A「学校で、交流とかあるのか？」
蓮「いや？多分、ないと思うけど。
澪ってああ見えて学校では真面目な猫被りだから」
A「女子って怖いな」←
あの狂気丸出しの澪が、猫被りか…
蓮「で、もう１人が氷道奏楽(ひょうどう そら)。
まともに学校に出向いてないみたいだけど、
一応隣り中学の子みたい」
A「中学校名は？」
蓮「桜坂中学。Aの近所？」
A「あ、あぁ…俺が昔通ってた」
なんでこの子通じてんだ、と一瞬思ったが。
そう言えば凄腕の情報屋だったな。
蓮「で、２人の間柄は親戚。昔は近所同士だったみたいだよ」
A「そっから交流が続いて行った？」
蓮「うん。で、たまたま犬飼由紀が澪を目撃して
しまった。これに関してはミスとしか言えない」
「今はこれだけ」と蓮は言う。
いや、けど
A「凄いな、蓮って」
蓮「…え」
少し驚いた表情になった。
そんなことを言われるとは思ってなかったみたいだ。
ただ単純にいつもと同じ仕事感覚で行っていただけ。
多分、慣れ過ぎて自覚がないんだろう。
A「いつからその仕事をやるようになったんだ？」
蓮「……６年ほど前から」
A「てことは…小３？」
コクリと蓮が頷いた。
小３でハッキングて…天才児か←
A「さっきの３つ知りたいことも、なるほどって
思ったし…」
蓮「……Aって、タラシなの？」
急にそんなことを尋ねられた。
タラシじゃない、ロリコンじゃない。←
A「なんでだ」
蓮「…平然と褒める、から」
A「いや、悪い。本当に凄いと思っただけだから」
褒められ慣れてない、少しだけ頬を赤らめていた。
意外と可愛い所があると発見。←
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年2月13日 19時
