第５１話「苛立ち」 ページ3
テストの５教科全てが俺の手元に来た。
回答用紙の右上には�爍隠娃亜軼世�赤く書かれていた。
これはもう確実に勝てた。
そう確信して、山田を見ると口角をあげていた。
きっとそれなりには良い点数はとれたんだろう。
つーか、俺と魁さんが２人で教えたんだから、
良い点数じゃなきゃ絞める。←
A「山田、どうだった？」
頬杖をつきながら横目で山田を見る。
…絶対…勝てる…。←
山田「ん？俺はな……」
山田がコッチを振り向いたと同じぐらいだろうか。
同じクラスの女子が数人集まって喋り掛けてきた。
「A君、点数いくつ？」
「うわっ、１００点！今度、勉強教えてよー」
「ねぇねぇ、A君！」
頼むから一度に話しかけないでくれ。
俺なんかより山田の方が格好良いに決まってるのに
なんで女子は俺に話しかける。
マシンガンのように多くの女子が一気に喋り出す。
相槌すら打つ暇がない。
…この人達、俺に喋らせる気がないんじゃないか？
・
・
一方、山田をかろうじで大群の隙間から見る。
山田も山田で、女子に囲まれて笑顔で対応していた。
今だけそのスペックを俺にわけて欲しい。
「山田君、何点？」
山田「俺は大体、５０点ちょっと？」
あ、勝った。←
…て、今はどうでもいいんだ。
「ねぇねぇ」
A「…なに？」
今度なんだ。
また女子が話しかけてきた。
そこまで仲良くないし、喋る事もないのに
始めから名前呼びで馴れ馴れしい。
内心の苛立ちを隠そうとしても顔に出ているかも
知れない。
元々、ベタベタされるのは嫌いなのにこれでもか
とでも言うほど距離が近い。
「今日さ、私達と一緒にご飯食べない？」
A「え、無理」←
「え、どうして？」
「山田君も勿論誘うよ？」
なにその、俺と山田がワンセットみたいな。
しばくぞ(
山田が多分、「親友」だとか普段ほざいてるから
原因はそれだと思う。
女子にやんわり答えるにあたってどうすればいいか
分からず困っていたら。
山田「栞と食べるんだよな！今日」
A「え。あ、あぁ…」
山田が変わりに答えてくれた。
…たまには使えるな。←
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作者名：あまぐり(天樂) | 作成日時：2015年2月13日 19時
