第62話「サボリ」 ページ17
■プール
バシャバシャッと山田が水を掛けてきた。
ふざけんな。
男と水遊びしても楽しくねぇよ。←
山田「A!なんで入らないんだ?」
A「水泳の授業が嫌いなんだ」
山田「えー…」
正直に言うと、微妙そうな顔をされた。
けど、水泳って嫌じゃないか。
授業後に髪が乾ききらずに授業を受け続けたり。
あとは、薬の匂いがするところとか。
A「…さっさと泳いで来いよ」
体育開始20分。
山田が隣に座っていた。
正直、鬱陶しい。
そして一体何がしたいのかイマイチ理解不能。
まさか、アレか。
俺をプールに突き落とす気か。←
山田「A、本当に入らねぇの?」
A「入らない。山田も授業受けて来いよ」
「ここに居たってしょうがないだろ」と、俺が言う。
すると山田が突然、俺の手を掴んだ。
山田「んじゃ、どうせ受けねぇんだし。
このままどっかサボリに行こうぜ!」
A「…は?」
山田「俺だってA居なかったらつまんねぇしな!」
知るか!
体育の先生が凄い目つきでみてくるにも関わらず
山田は走り出した。
…もう、いいか。←
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■in家庭科室
家庭科室は、突き刺さるほど視線が俺達に注いでいた。
と、いうのも山田が「栞のところ行こう」とか言い出し
て、女子限定で埋め尽くされた家庭科室に男2人が居る。
…正直、すごく居辛い。
山田「なに作ってんだ?」
「あっ、いまホットケーキ作ってて…」
山田「A!ホットケーキだって!」
A「どうでもいいから、出ないか?」
山田「大丈夫だって!」
何が大丈夫なんだ。
山田に話しかけられた女子は少しだけ頬が赤い。
C組にまで山田病が感染するのか…←
栞「そうそう!2人も食べていきなよ!」
A「…栞、クリームついてるぞ」
栞「えっ?」
多分、トッピングのときについたんだな。
クリームを指で掬う。
…いや、勿論舐めたりしないからな?
さすがに気持ち悪いだろ。
ティッシュを一枚とってクリームを拭いた。
栞「あ、ありがと…」
山田「A。お前やっぱり確信犯」
A「?何の話だ」
栞「そ、そんなことより。私のとこおいでよ!
席を用意するからさ!」
結局、食べることになるのか。
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作者名:あまぐり(天樂) | 作成日時:2015年2月13日 19時