あなたのことが (ページ14)

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ライアーの撮影が終わってから彼女には会えていなかった。だからこそ彼女とラジオで会えた時は死ぬほど嬉しかった。

何度も何度も彼女のことは頭の中で思ってた。彼女をテレビで見かけると「元気かな」とか面白いことがあると「あ、これ共有したいな」、「会いたいな」なんて思ってみたり。テレビで見たり街中で名前を見ると会いたくなる気持ちがどんどん強くなっていっていた。

それが今、こうして自分達の番組でお会いできるなんて思ってもいなかった。人生って何があるかわかんないね。

ラジオが終わった後
田中「北斗どうだった⁇結構サプライズじゃなかった⁇」
松村「まじでちゃんとサプライズだった。今日も可愛かったし会いたかったから会えてよかった。」
田中「それ、ちゃんと伝えた⁇」
松村「え⁇」
田中「今日の北斗、いつもよりもワタワタしててAちゃんほんとにわたしでよかったのかなって顔してたぞ。」

…気づけなかった。自分がそんな顔していたなんて。

松村「え、まじ⁇ねえどうしよう樹。俺そんなつもりないんだけど。」
田中「それそのままAちゃんに行ってくればいんじゃね？まだ今なら間に合うんじゃない？」

…こういう時に樹はすごいと感じる。俺よりも俺のことをわかってるし、俺よりも俺のことを見てる。

松村「…俺行ってくる。」

俺は何も持たずに急いでブースを飛び出した。