終速2メートルの恋 3

#116 ページ39

「あっ、あのっ、...。」
坂「...





...なに？」






「あっ、いや...ぁ、し、取材を、お願いしたく、て....。」
坂「....あっ、...そ。どーぞ。」







なんでだろう






「き、昨日は...攻守ともに大活躍されていましたが、...えっと....。」


坂「...聞くことないんやったら別に、ええで。」
「えっ...。」






今日の坂本選手は、昨日と、いつもと、打って変わって









.









..








...









坂「...だから、なに？」








凄く凄く、冷たい







「ご、ごめんなさい...。」
坂「...別に、謝ってって言うてへんし。」







.







坂 “俺のこと、見とけよ”
坂 “なんってか、Aのこと気になって”
坂 “バカ照れすぎ”






前とは、全く違う
態度、受け答え...目すら合わせてくれない









少し前まで、あんなに優しい顔で、いつも取材を受けてくださってたのに...

今となってはその笑顔が恋しい、懐かしい







...どんなに、苦しい時があったって
乗り越えていけたのは、坂本選手がいたからなのに







「...っ、あ、えっと...。」






私も私で、いつもみたいに明るく取材できない
だから、やってないんだったら、もっと

堂々としてたら、いいのに
いっつもオドオドして、結局自分が謝って、損する









.









..









...








坂「...俺、次の練習あるから。」
「っ、え、あっ...！！」







目も合わせず





「...さか、っ...。」
坂「...。」






背を向けて、ベンチに帰る坂本選手

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