終速2メートルの恋 3

#114 ページ36

A「おま、え...なぁ...。」
「っ、____！！！」








“怖い”







そう思った時点でもう遅かった







Aさんは関西出身で

“あ？ 新人やろ。”
怒る時に出る関西弁が、いつも、凄く凄く怖かった







体が硬直する






Aさんはその間にも、どんどん私との距離を詰めていき






G「キャアアアア！！！」
B「っ、わっ...！！！！」







衝撃の前の世界が、ゆっくりと過ぎるのを感じる






読売だけでなく、他のデスクの人たちもこちらを見ていて





私の視線の奥には









.









..









... 小鳥遊(ばーーーーか)









....









.....









バシッ_____！！！！！









「っ、！______〜〜〜〜〜〜っ、！！！」


C「っ！！」
H「キャアアアア！！！！！」







頰に、とてつもない痛みを感じる

愛情なんてこれっぽっちもない、親からされたこともないような、酷く鈍い痛み






わたしはその衝撃のまま、地面に座り込む







.







A「ハアッ、この...






読売担当部の恥さらしがァ！！！！！」



D「ちょっ...！落ち着いてください！！！」
B「Aさん落ち着いて！！！」







周りの人たちが、Aさんを押さえ込む
その間もAさんは、わたしのことを睨みつけ、怒号を漏らす







なんだろう、何かしたのかな私

何もしてないのにな

そんなの、するわけないのにな






.






ふ、と見上げると
そこは建山さんのデスク





いつもなら私よりもずっと早くに来るのに
今日は遅刻レベルで来るのが遅い





おかしいな、いつもなら、この時間には必ず来てるのに
...おかしいな






「...て、やまさん...。」

A「建山が...来るわけねぇだろ！！！アイツこそ来なくていいんだよもう！！一生！！！！！」






男の記者二人に取り押さえられて、さらに声を荒げて話すAさん

え、一生...？
来ない...？









.









..









...









....







A「お前が...10年前の我が部の汚点また掘り返して...





それをcs中に他の会社に売ったから悪いんやろが！！！！！」







痛む頰を押さえ
建山さんの椅子の上にあった、他社の新聞









.











..









...「...っ、あ、え...？」









....









.....









［由伸監督、大手某スポーツ紙会社の記者との隠し子！？］






一面に大きく載る、由伸監督





何かが、動き始めた

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