終速2メートルの恋 3

#104 ページ26

“あたち、おほしさまの役？”

“ごめんねぇ、Aちゃん。動く役はもう決まっちゃったの...。”





“あ、あのっ、掃除当番です、今日は...”

“あー、ごめ！俺今日病院行かなきゃなんだよねー？...えと、田中さん？”
“お前www 名前間違えんなって爆笑
しかもバイトだろwww”






.







..







...







....建「山田ツーベースヒット！」
「____っ。」





建山さんの声で我に帰る





パッ、と視線を前に向けると
二塁には山田選手の姿

ショートの坂本選手と何か話してる





.





建「...ちょっと？」
「...え？」





気づくと私の膝の上にあった手は、建山さんによって握られていた





「ど、どうしました？」
建「...どうしたも何も。」





その瞬間、建山さんは私のまぶたに指をやり





.





建「泣いてる、から...」
「へ、っ？」





視線を膝下のノートにやると、
無数の雫がノートに散りばめられていた

え、私、泣いて...？





「ごめんなさいごめんなさい笑笑
あっ、いや、何もないです！！！笑笑」
建「ちょっ...」







私はごしごしと目元を拭う

何にもない
ただ、昔のことを思い出しただけ






.






［キャーーーッ坂本ーーーー！！！］
［こっち見たぁ！！］
［カッコイイ〜〜❤❤❤］







後方の席から、若い女性の声が聞こえる
甲高い、ピンク色の声






.







..







...









私なんかが






坂“俺のこと見_____”






.






..








...








「好きになって言い訳、ないっ...」

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