終速2メートルの恋 3

. ページ14

貴方は私を “夏帆” と呼ぶようになり
私は貴方を “由伸さん” と呼ぶようになった








遠征先ではどこかへ行く時もあった
本拠地でも月に一回、お泊まりをする日があった







当たり前のように手を繋ぎ
当たり前のようにキスをし
当たり前のように体を重ねた









きっと側から見たら、ただのカップルなのに









.









..









...









....









.....









......









___バシッ！









A「なんてことしてんだ！！！！！！！！」
「....、っ！」









あまりの痛さと衝撃に、私はデスクの床に倒れこむ
見上げても、誰も手を差し伸べてくれない








当然だ







こうなることくらい、どこかで分かっていた








.









【高橋由伸、美人記者との不倫に溺れる！！】









.









初めてその記事を見せられた時は、体は硬直したものの、意外にも冷静な自分がいた

分かっていたのだ、最初から、こうなることくらい









.









先輩記者Aに思いっきりぶたれた頰が、まだ熱をこもってジンジンと痛む

周りの先輩、少ない後輩からも、白い目で見られる









C「お前、この記事もみ消すためにどれだけの人と金かかってると思ってんだ？あ？」



「わ、かりませ...
A「うちの社長とジャイアンツ側の権力と金でもみ消したんだよ！！！お前が一生働いでも返せない額でな！！！！！」








あぁ、この感覚
だめだ、息が








「...っ、ヒュッ、えほっ！！」
B「ッチ、またそうやってごまかすだろ！？
やめろやその嘘っぽい風邪！！迷惑なんだよ！！」








「ご、めんなさ...ゲホッ！！」
D「怒んなもう...ハァ...めんどくせぇ...。

ほんとめんどくせぇ女...。」








生き地獄とは、こういうことなのだ
涙を零す、力も気力もない









.









その頃からだ









由伸さんと連絡が









取れなくなったのは

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す