終速2メートルの恋

#41 ページ41

Side 山田





山「....。」





カキーーン...スバァアン！！





『オッケーナイボーール！！！』

『オッケー三つ三つーーーー！！！』





東京ドームで、巨人戦





.





...なのに




.





山「小鳥遊さんおらへんやないかっっ！！」





ハッ...と、周りのざわつきで我に帰る。
あぁ、結構大っきな声出てもた...




さっきから、走塁練習や打撃、守備練習の合間を縫っては小鳥遊さんを探してるってのに...

まったくおらへんやん...





.





まぁ、なんでこんなに練習の合間縫って会いたいかっていうのは...




山「あぁ〜〜もう、無くしてまいそう俺...。」





.





...あの日、小鳥遊さんが俺の家で休んでた日、そのまま小鳥遊さん、俺の部屋に可愛らしいピアスを忘れていってて...




すぐに返したら良かったけど、あいにく連絡先知らへんし、ヤクルト戦でまた会うやろ...って





東京ドームまでの移動時間、暇だった俺はスマホでそのピアスについて調べたら、まぁまぁの値段で






.






...総じて、会えなくてガッカリ





俺にしては珍しく、スーツ用に使うハンカチにピアスを挟んで大事に持ってきたものの、無くしてしまいそうだ





.





..






畠山「あ！山田選手ーー！おはようございます！」

「....あ！！！」





と、言いながら人を和ませてくれるような体型を揺らしながらこちらに向かってくるのは、長いことヤクルトの記者を担当している畠山さん
(お忘れの方は#12を参照！！)





あ、この人確か...前、小鳥遊さんと那覇のヤクルトの球場に...




そう思った瞬間、俺は畠山さんの腕を掴んで話しかけていた





.





山「あ、あの！巨人担当の記者さんの...小鳥遊さんって....！！」
「う、うぉおどうしたんですな！」




どうしたんですな....って笑笑




俺が急に腕を引いて話すもんだから、ビビりまくってる畠山さん

うん、早く...答えてほしいねんけど笑





.





畠”たかなし....って、あぁ。”





畠山さんは、ちら...っと横目でジャイアンツのベンチを見る

...そこには

#42→←#40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す