どうやら勝利くんはキス魔のようです。 (ページ16)

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KISS 16 ページ16

勝利side

あいつは俺を見つけると

すぐに逃げ出す。

朝だってそう。

校門にいる俺を見つけると、すぐに走って逃げていく。

休憩時間も廊下で俺を見つける度に、自分の教室に戻って。

勝｢何なんだよあいつ...ムカつく。｣

｢あいつって、あの美少女で有名なAちゃんの事かな??｣

勝｢...勇太。｣

ニヤニヤしながら俺を見てくる、勇太。

今日もなかなかのチャラさで。

勇｢俺Aちゃんのこと好きなんだよねー。
めっちゃくちゃ可愛いじゃん！
バニーガールのコスプレして『勇太きゅん』って言って欲しいわぁー｣

勝｢...きっも。｣

勇太きゅんとか...こいつ頭大丈夫かよ。

勇｢なんだよお前、Aちゃんと仲いいからって...。
俺への見せつけか!?!?｣

勝｢そんなんじゃねぇよ。
てか、俺は別に好きじゃないし。
俺が好きなのはあいつの唇。｣

勇｢そっちの方がキモいと思いますぅー。
よっ、唇大魔王！｣

勝｢うっっざ。｣

こんなやりとりも、まぁ楽しい。

これでも一応親友だしな。

勇｢さてと！
俺はAちゃんを口説きに行ってくるよ｣

勝｢無理に決まってんだろ。
あいつお前みたいなの1番嫌いなタイプだと思うし。｣

勇｢マジかよ...。
うわぁぁぁぁん...｣

嘘泣きをしながら

勇太が抱きついてきた。

ぞわっと鳥肌が立ち始める。

勝｢ちょ、やめろ！｣

勇｢そんなこと言わないでよー泣
...ま、いっか！
俺には他の女の子たちがいっぱいいるし！｣

そう言って、教室を出ていった。

相変わらず女好きだな、あいつは。

ため息をつきながら、

ふと廊下を見ると、Aの姿が。

自然と俺の目が

あいつを追って、逸らせなかった。