全部盗んで、怪盗さん【2j3j】

#怖い ページ47

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おかしい










さっきから聞こえていた足音が増えている気がする。ストーカー？不審者？まあ何にしても怪しい人には変わりないから怖い。走って逃げ出したいけど、こーゆー時は落ち着いて適当なお店に入るのがいいでしょ。

私はさっきから家には帰らず、ウロウロと住宅街を歩き回っていた。家に1人の時が多いから、と親に不審者への対策はめっちゃ教えられた。それが役に立ってる、親に感謝。

そんなことを呑気に考えながらも、私はこっそりとスマホを開いて渡会さんとのLINEを開く。




【誰か知らない人ついてきてるかもです、カフェ戻っていいですか】






幸い、すぐに既読がついた。
少しだけ安心する。





渡【通話、こっそり繋げれる？聞こうとしなくていいから。声とか入ってたらもしもの時の証拠にもなるし】





なるほど、と私は通話ボタンを押した。










その瞬間、後ろから誰かに腕を掴まれた。咄嗟に振りほどこうとするけど、腕を掴んできたのはガタイのいい男。全部が平均or平均以下の私が勝てるわけなかった。

あっという間に羽交い締めのような体勢にされて、路地裏まで連れていかれる。背中をコンクリの壁に叩きつけられて、うっと声が出る。

スマホを手に握ったままだったことに気づいて、男にぱしっと弾かれた。







「お前、渡会雲雀ってやつと知り合いだよな？」







なんで渡会さんの名前が出てくるの？
分からない、でもこの人にきっと教えちゃダメだ。咄嗟に首を振った。そしたら逆鱗に触れたんだろう、口に手を当てられて、息ができない。






「渡会雲雀のこと知ってるだろ？！！居場所教えろ！！」






段々と暗くなっていく視界。












私、死ぬのか。













まだ好きも伝えられてないのに。










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