興味が無いので。3 ＋ 番外編【knmc】

95.誘拐？ ページ5

You side

剣「あ…ごめんなさい！｣

刀也は慌てて謝ってくる。剣持家では私の本当の家族のことを言うのはタブーみたいになってたから。

『いいよ全然、気にしてないし。』

ほんとに気にしてないのだ、だってもうほとんど記憶が無いから。小学生の時に両親が亡くなった、そのショックで記憶がほとんどないのもあるだろうけど。

『ほとんど覚えてないのに…今から行くところだけはちゃんと覚えてたの。だから仲良い子達と共有したいなって』

剣「……そっか」

まだへこんでる刀也。私は刀也の頭をぽんぽんと撫でる。

『大丈夫だって、剣持家の人たちも大好きだから。』

ね？と言うと少しだけ顔が元に戻った気がする。へこんでる時よりかっこいいよ、口には出さないけど。

・
・
・

笹「……なんかめっちゃイチャイチャしとらん？」

椎「それなぁ、声聞こえないから何話しとるか知らんけど……ムカつくなぁ」

叶「サプライズやめる？」

葛「なんでそんな攻撃的なんだよお前ら」

・
・

サプライズまであと５分

・
・

葛「ここか？」

着いたのはこじんまりとしたお寺。少し高い位置にあって開けているから、上から夏祭り会場を見渡せる。

『そーだよー。ここなら花火ばっちりでしょ？』

椎「ええなぁ、映え狙えるやん」

笹「お前インスタやっとらんやろ」

相変わらず2人の漫才みたいな会話が好きだ。全部動画撮っておきたいくらい。

・
・

サプライズまであと2分

・
・


刀也は初めて来た場所だからか、辺りをキョロキョロと見渡している。

剣「めっちゃいいですね、ここ」

『んふふ、そうでしょ？



刀也、ごめんね。』

剣「え？」

叶「はーい、もちさん一瞬だけこれ被っててね〜」

その瞬間、叶さんが刀也にタオルを巻きつけた。

96.お得意の煽り→←94.違和感

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す