興味が無いので。3 ＋ 番外編【knmc】

99.いつも近くに居てくれるのは ページ9

You side

目覚ましの音で目が覚める。



……久しぶりに、喧嘩の時の夢を見た。

『ん゛〜……あれ……』

前までは涙出てたのに、今回は出ていなかった。成長できてるってことなのかな。

喧嘩のことは今も忘れられない。でも、これもいい経験だったと考えることで、少しは前向きになれるようになった。


今日は夏休みが終わって二学期初日。過呼吸症候群も不眠症も全然治ってない。

お義父さんも、お義母さんも、刀也も、友達も。ゆっくり治していけばいいと言ってくれて、気が楽になった。

最近は、自分で体調を管理できていてすこぶる調子がいい。さいこー。

制服に着替えて洗面に行く。ドアを開けると刀也がいた。

『刀也おはよ』

剣「A、おはよう」

場所を少し貸してもらって、髪の毛を整える。コンディションは最高、盛れてる。

『今日一緒に学校行ける？』

剣「あぁ、うん。今日は部活無いし帰りもいける」

『やった、迎えに来てね』

剣「はいはい」

2人でリビングに降りて朝ごはんを食べる。
今日の朝ご飯は昨日のカレー。朝からカレーってきつい人もいると思うけど、私は好き。

剣「A、早くしてください」

『ごめんごめん、ノート取りに行ってた』

剣「はぁ……しっかりしてくださいよ……」

そう言いながらローファーを履く。つま先をこんこんならして整えて、家の方を向く。

剣｢『行ってきます！』｣

礼で始まり礼で終わる。
私たち剣持家の大事な教え。
この教えは意外と嫌いじゃない。


刀也と、やいのやいの言いながら登校する。

『刀也、早く学校行こ。叶さん達に会いたい』

剣「叶くんたちいつも遅刻ギリギリだしまだ居ないでしょ。」

初めの頃は憂鬱だった学校も今では大好きで。

こんなにも高校生活が楽しくなるなんて、誰も思っていなかっただろう。



剣「……A、早く行きますよ」



刀也とはもう話せないと思ってたのに、今じゃ隣にいるのが当たり前になって。

1つの出来事でこんなにも人生は変わるんだ。
必要なのは勇気だけ。最初は勇気がいるけど、案外簡単なこと。


『うん！』


今までのことももちろん大切にしたいけど、今を全力で楽しんで、一つ一つを大切にしていきたい。


Fin

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