51.義兄としての ページ4
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叶くんから連絡があったのは授業が始まる2分前。さくゆいと来るはずだったのに、いつの間にか教室から居なくなったらしい。
なんで僕に連絡するんだよ……って思って、申し訳ないけど既読無視した。これで暫くは連絡来ないはずだった。
なんと電話がかかって来たのだ。慌てて画面を見ると、着信相手は椎名唯華。
半ギレで電話に出ると椎名の焦ったような声が耳を貫く。僕はバレないように小声で対応する。
椎「けんもちぃ!Aみてへん?どこにもおらんくて……」
剣「なんで僕に聞いたんですか……!!!知りませんよ!あいつのことなんか!!」
椎「お願いけんもち、A探して!!Aのこといじめとったやつが連れてったらしい!じゃあ!」
一方的に通話が切れてしまう。
剣「…なんなんだよ……」
結局行かないまま授業に入ったけど、集中出来ない。Aが行方不明?どうして?いじめていたやつが連れ去ったにしても無理がある。じゃあどこに、?
考えていたら埒が明かないので、僕は授業を抜け出した。仮病を使って。
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空き教室片っ端から調べていく。
いない、いない、いない。
1年生廊下の、一番端の教室。誰も使っていなくて、見回りの先生すらも行かないらしい。
渡り廊下のすりガラスに、紺色の服が見えた。この高校の制服だ。
剣「……まさか」
全力で走って空き教室に行く。ドアの小窓からそっと中を除くとそこには、
ボロボロになったAが居た。
跨って叩いているのは…1組の女子だ。何回か顔を見たことある。
何故か、叩いている人への怒りはなかった。それよりもAがボロボロになっていて、不安になっている、の方が勝っているからかもしれない。
僕は冷静にカメラで写真を1枚撮ってから扉を開ける。
もう半年以上口に出して呼んでなかった名前。ずっとずっと嫌いだった名前。
「A!!!!!」
でも、何よりも大切な名前。
僕にこの名前を呼ぶ権利はあるのだろうか。
少しだけ不安になったけどAが、こちらに手を伸ばして来た瞬間、そんな考えは吹き飛んだ。
すかさず駆け寄って抱きしめる。
神様。俺に、Aを守る権利をください。
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っっっっっh - 神作品をありがとうございます!ハピエンでもバドエンでも嬉しいです!できればハピエンがいいなあーとかおもったり、、((ガチで面白い作品をありがとうございます!頑張ってください! (2023年3月26日 1時) (レス) @page38 id: 15a37274bf (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 南蛮漬けが好きな人さん» このまま行くとハピエンになりそうですが、バトエンも考えてて今どっちにしようかめちゃくちゃ悩んでます!!!バトエン大好きなのでバトエンにしたい気持ちが大です! (2023年3月24日 21時) (レス) id: 04b1b01f1e (このIDを非表示/違反報告)
南蛮漬けが好きな人(プロフ) - バドエンですか…それともハピエンですか?バドエンだとわたしめっちゃ嬉しくなるんですけど (2023年3月24日 20時) (レス) id: 9cc5dc1dec (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - じゃーん、えっちふんさん» ありがとうございますT T♡絶妙な距離感の小説…いいですよね!めちゃくちゃモチベになりました!(o^-^)φこれからも頑張ります! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 04b1b01f1e (このIDを非表示/違反報告)
じゃーん、えっちふん(プロフ) - 続編ありがとうございます!!!!knmc夢小説ではあまり見かけないタイプの夢小説で、憂いを帯びたような空気感で大好きです!自分のペースで更新頑張ってください! (2023年3月24日 1時) (レス) id: 1b7c50ba33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:の | 作成日時:2023年3月22日 20時