興味が無いので。2【knmc】

67.傷跡 ページ24

kne side

Aちゃんが久しぶりに学校に来た。

連絡が来たのはしぃしぃからで、僕は既読をつけた瞬間走り出していた。普段運動しないから息が苦しい、今年の7月の暑さはやばいらしい。シャツが肌にへばりついて気持ち悪い。

昇降口で笹木と合流して教室に飛び込むように入る。廊下側の席だから、すぐに見つけられる。

叶「……Aちゃ…」

最近はテストとかあってなかなか会えなかったから、久しぶりに見たAちゃんの姿の変わりようにびっくりした。



健康的な肌は少しだけ白くなった。もちもちだった腕は痩せこけていた。



その姿を見るのが辛くて、最初は目を逸らしていたけど、Aちゃんがいつも通りに接してくれるから、僕もいつも通り接しようとした。

でも、いつも通りは難しくて。
話しかけたくて名前を呼ぶとこちらを向いてくれる。でも、声が出ない。

ただじっと見つめていると、ふと気がついたことがあった。

頬に傷がある。1部だけ赤くなっている肌、そこに手を伸ばして撫でる。びくっと肩を震わせていた。

『……どうしたの？』

Aちゃんは困惑しながらこちらを見ている。僕はやっと口を開く。跡あるの？そう聞くとAちゃんは気にせずに頷く。


本人が気にしてないならいいか、そう思って数回会話したあと手を離して、ゆっくりと笑う。


Aちゃんは不思議そうにこちらを見ていたけどすぐに笹木の方を向いて話始めていた。

・
・
・

椎「かなかな、Aのこと好きなん？」

笹木とAちゃんが話しているのを横目で見ながらスマホをいじっていると急にしぃしぃから爆弾投下される。

叶「……なんでわかったの？」

諦めて肯定する。

椎「あほ、見とればわかるわ。」

しぃしぃはほんとに周りをよく見ていると思う。誰かが悩んでいたら一番最初に気づく。Aちゃんがおかしいと気づいたのもしぃしぃだった。

叶「Aちゃんのこと…好きだよ。でも、僕にそれを言う資格はないんだろうなって」

椎「はぁ？なんでなん」

2人に聞かれたくないから、飲み物を買いに行くと伝えて廊下に出る。

68.奢ってくれるやろ？→←66.あったかい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す