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you side
今日は剣持さんと家長さん、リリ、私で雪遊びをしている。子供みたいにはしゃぐ私を見て笑ってくるから、恥ずかしかった。
夜は鍋を食べて、こたつで団らん。
こたつで温まりながらニュースを見る。
そこには、家の画像と、犯人と思われる娘を捜索中という記事が載っていた。
記事を読み切った瞬間、突然の吐き気に襲われトイレで夜ご飯をすべて吐いてしまった。
当然3人には心配されて、こたつで寝かせられた。次起きた時には剣持さんと家長さんは寝ていて、リリが部屋を片付けていた。
言うなら今しかないんじゃないか。
もう、多分時間が無い。
『リリ、あのさ…』
夕「Aは…なにか罪を犯したんでしょう?」
ドキリと心臓が鳴る。なんでなんで分かったの?
『なんで…分かったの…』
夕「勘ですよ。ニュースを異様に見ていたし、ってなんとなくです。
それで何をしたんですか?」
全部話した。お母さんを殺したこと。放置してきたから何も分からないこと。ここに来たのは死に場所を探していたこと。
『もう出てくから。ごめん、証拠消しといて』
リリは黙って聞いてくれていたけど、やがてこう言った。
夕「私も一緒に死にます。だから、行きましょう?」
『……は?何言ってるのリリ、貴方は生きないと』
夕「あの時、勝手に居なくなったお詫びです。
大好きな人を1人で死なせる訳にはいきません。」
大好きな人、そう言ってくれた。ずっと言ってくれなかったのに。
涙が溢れる。リリはすかさず抱き締めてくれて。
夕「大丈夫。大丈夫だから。笑って死にましょう?」
『っ……う、ん』
私達は2人で剣持さんと家長さんに手紙を書いて、コートを着て家を出た。
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ひゅうがなつ(プロフ) - 可愛くて少し甘酸っぱいような素敵な文章で癒されました!頑張ってください〜! (2023年3月11日 10時) (レス) id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:の | 作成日時:2023年3月7日 6時