姉愛［48］｡剣楽梛殿｡ ページ48
なっちゃんside
俺は
個性は剣を創る。で剣創。
体の何処からでもどんな形の物でもどんなサイズの物でも。剣であれば創り出すことが出来る。そんな強力な個性だ。
俺は昔から両親に甘やかせれて育ってきた。
周りからもチヤホヤされる毎日。
賞賛の言葉ばかり浴びていた。
幼馴染みで仲が良かった弱虫からも少なからず羨望の眼差しを向けられていたと思う。
｢梛君が羨ましいなぁ｣
｢勝ち組はいいよねー｣
｢マジで尊敬ものだわ！｣
｢僕にもそれ教えてー！｣
俺はそれ等を気持ちいいと思っていなかった。
唯々不快で鬱陶しい物でしかなかった。
邪魔で邪魔で。重みが辛かった。
だから甘々の両親からも自主的に離れた。
今は静岡の婆さんと2人暮らし。
必然的に転校することになる。
今日が初登校日だった。
涼羽も居たとは予想外だったが。
｢相変わらず間抜けだな弱虫｣
ほんの興味本位で近付いた。
ほんの興味本位で声をかけた。
ほんの。一時の感情に流された。
｢俺は丸頭なんかじゃない！｣
赤髪が美しい女子に襲い掛かってしまった。
また傷付けてしまう。また俺は。
後悔した瞬間。
シュっ。
｢！？｣
彼女は短剣を軽々と流し。
ガシっ。
俺の右腕を掴んで前に引っ張り。
ドっ。
すくんだ俺の両足を蹴ったと思えば。
バっ。
背後に回り込み床に押さえ付けた。
｢ぐっ｣
何だこの動きは………！？
｢何だ。大したこと無いね｣
つまらなさそう鼻を鳴らし俺を見下ろす。
何て強さ。何て圧倒的な力だ。
｢Aちゃん大丈夫！？ 怪我してない!!?｣
｢してないよ。あんな攻撃に当たる訳が無｣
｢あー！ なっちゃんズルイよAちゃんにそんな密着されて!! 涼ちゃんだってAちゃんに触れた事無いのにーっ！｣
｢遮るな煩い｣
軽く殴られる涼羽。
｢ほぎゃっ！｣
殴られていると言うのに、穏やかな顔。
いつの間にか俺の背から退いていた赤髪の彼女を見つめて。なんて凛々しく美しいのだろうかと見惚れてしまった。
この人ならきっと。
ちゃんと“俺”を見てくれる。
｢Aさんと言うのですね｣
｢は？｣
この人なら俺は忠誠を。
｢是非。俺の主になって下さい｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よる。 | 作成日時：2016年9月21日 16時
