姉愛［15］｡赤白黒翠｡ ページ15
しょーとside
ねーねはいつも、僕のことを｢綺麗｣
って言って頭を撫で撫でしてくれる。
赤と白と黒と翠。
2つずつに別れた僕のお顔を、髪の毛を大好きだって言ってくれるの。
だから僕も、そんなねーねが大好き。
ねーねの真赤な髪の毛も綺麗なお目めも。
ぜんぶ大好き。でも僕は……。
｢僕のせいでねーねが傷ついちゃった｣
僕がどうじょうに入ったから。
僕が弱虫で意気地無しだから。
僕が、悪いんだ。
｢違うよ焦凍｣
｢…………！｣
｢君は悪くない｣
っ───。
走って抱き着いた。
｢ねーねっ…！｣
涙がでてきた。
そっと僕を抱き寄せてくれるねーねの温もりでもっともっと涙がドバっとなって。
止まらない。
｢悪いのは全部アイツなんだ。
だから、焦凍は何も悪くない｣
｢あいつ……？｣
｢うん。クソ親父｣
お父さんがねーねを傷つけてる………。
僕が知らないところで、ねーねはいつも酷いことをされてたんだ。
お父さんが。
アイツが。
アイツがねーねを。
｢あのA嬢…俺を空気にしないで？｣
｢あ、いたの。颯輔｣
お兄さんが唇をキュっとする。
｢相変わらず辛辣だなA嬢……。
俺ガラスのハートなのに酷い泣くよ」
｢泣けばいいよ。それより焦凍に自己紹介してあげてよ。この子ずっと訳分からないって顔してるじゃないか｣
僕のほっぺたを撫でながら、
お兄さんに言いやるねーね。
ねーねのおてて柔らかい。
｢あっそう言えば名前も言ってなかったな｣
お兄さんの頭の上で電球が光る。
｢まず。俺の名前は西宮颯輔。炎司の古くからの友人と言うか仕事仲間ね。因みに25才独身でA嬢と同い年の弟が1人居ま｣
｢余計な情報まで言わなくていいよ｣
｢えーっ初登場なんだからいいじゃん！｣
アイツと仕事仲間？
ってことは………？
｢お兄さんもヒーローなの？｣
｢ん？ ははっ違う違う。俺はヒーローじゃなくて“ヴィラン受け取り係”の警察だよ」
｢自分で受け取り係とか…どうなの｣
呆れるねーねと楽しそうに笑ってるお兄さん。
へぇ、お兄さん警察なんだ。
僕は警察も立派なヒーローだと思うけど。
｢ついでだがチビ助。俺とA嬢が
何故ここまで仲が良いかと言うとな｣
｢別に良くないし｣
｢またまた照れちゃってー！｣
｢………。今日から出禁ね｣
｢ごめんってば出禁はやめて！？｣
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作者名：よる。 | 作成日時：2016年9月21日 16時
