□愉快な変人。 ページ5
金曜日の夕方。
職員室で。
自分のデスクで日誌を書いていた時だった。
｢駄目!!Aちゃんは涼ちゃんと一緒に遊園地行くの！なっちゃんは引っ込んでて!!!てか邪魔！｣
｢あ"ぁ!?邪魔なのはお前だろ涼羽!!Aさんは俺と遊園地に行くんだ!!!いい加減に退け！チビは引っ込んでろ!!｣
｢なぁ!?自分が180越えしてるからって威張ってるの!!?見下ろしていい気になって何それキモイんだけど！ナルシスト！ナルシ黒蜜柑!!｣
｢ぶった斬るぞ低脳ぉぉぉお!!!｣
｢やってみろやゴラァァアア!!!｣
何を叫びあってるんだい君達は。と言うか煩い耳障り。
｢殺るか水色!!｣
｢殺ってやらァ黒色!!｣
｢…………｣
最早騒音でしかない二人の叫び声。
職員室のド真ん中で他教師達の目もはばからず幼稚で滑稽な喧嘩を続ける馬鹿共に、流石に腹が立ってきた。
右手に握られた黒いボールペンを無意識に強く握る。
ミシっと軋む音がした。
｢Aさん、あの二人何とかしてもらえるかしら｣
｢…言われなくても｣
隣からコソっと耳打ちしてきた香山さん。
目も合わせずに低い声で応える。
すると何故か少し青くなる香山さんの顔。｢ま、任せたわよ…｣と小声で言ってから自身のデスクに戻って行った。
それを見送った後、ボールペンを置き。
椅子から腰を上げ。
ズンズンと胸ぐらを掴み合う馬鹿共の元まで歩み寄り。
｢いい加減にしないか。この……｣
ガシっと二人の頭を掴む。
｢雑種共が｣
｢ぶへっ｣ ｢ぐっ｣
容赦なく手加減なく。二人の頭を近くの棚に押し当てた。顔を青くする香山さん教師一同と、痛みからか床にうずくまる涼チビ。
梛は……、痛そうだがプライドが高いのでうずくまりはしないらしい。
ネクタイをキュっと締め直して私を見つめる。
それはもう申し訳なさそうに。
｢騒いで申し訳ありませんでしたAさん｣
｢分かればいいんだよ。分かればね｣
｢はい。以後気をつけます｣
うん。その台詞涼チビと喧嘩する度に言っている気がするけど見逃しておいてあげるね。
言って。
ズガっと、涙目でうずくまる涼チビの背中を強く蹴る。
｢いっだい!!｣
｢痛くしてるんだから痛いに決まってるだろ｣
｢おっ鬼！Aちゃんの鬼ー!!!｣
｢もっと蹴られたいのかい｣
｢嫌でふ!!!｣
このまま職員室で騒いでいるわけにはいかないと、散らかった場所をキッチリ二人に片付けさせ。
二人の襟を掴み強引に引きづって廊下へ出た。
｢で、今日は何で喧嘩してたの？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よる。(プロフ) - りんごさん» りんごさん…！！本当にいつもありがとうございます(´；ω；`)りんごさんの一つ一つのコメントに癒されています… 私も大好きです！では！ (2017年9月25日 18時) (
レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - よる。さん！番外編お疲れ様でした！うん。大好きです。はい。←ぇ 大好きです！では！ (2017年9月25日 1時) (レス) id: 1a1ba15a63 (このIDを非表示/違反報告)
剣楽さん家のメロンパン(プロフ) - よる。さん» 頑張れ！親衛隊はいつでもいつまでもよるのことを応援してるよ！！応援してるよ！！ (2017年9月20日 18時) (レス) id: 7da4a64e57 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - ありさ06アレンさん» ありささん２度目のコメントありがとうございます…！本編の方に集中して頑張っていきますのでどうぞよろしくお願い致します◎ (2017年9月20日 18時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - yuriさん» ゆりありがとー！！やっと完結できた…！これからも頑張るね！応援よろしくっす( ω )！ (2017年9月20日 18時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よる。 | 作成日時：2017年1月31日 17時
