姉愛［209］｡友情情熱｡ ページ9
橙に染まる傾いた空。
微かな風に踊る緑の葉っぱ。
沈みかけの燃えるような太陽から滲み染み込んだ薄色が、本来白い筈の雲を美麗に着色した。
ロマンチックとか言う風景の中を、そこに全くそぐわないコミカルな顔立ちの通形と並んで歩く。
生徒と家路を行くとは何とも複雑な気分だ。
思いつつ、彼の話はしっかり耳に通していた。
｢昔から人と話すのが苦手で、尚且つネガティブで。とにかく環と瓜二つだったんだよね｣
｢……嗚呼。天喰ね｣
｢そう。2人共いつも決まって静かで、逆に何が嬉しいのか分からなくて頑張って探ってみたけど駄目でしたね！ ハハ｣
懐かしそうに笑いながら、後頭部をかく。
通形とこんなにじっくり話すのは初めてだけれど、結構楽しいかも知れない。思ってたより煩くないや。
いつも叫んでる訳じゃ無いんだな。
｢でも、中学に進学した時。
騰亜っちは貴女を見つけた｣
微笑みを向けられる。
｢5年前の体育祭、世間で緋戦と騒がれたあれを俺達も見た。珍しく環も楽しそうだなぁと思っていたら、騰亜っちが大声で叫んだんです｣
……。
｢この人カッコイイ!! ってね｣
｢…私を見て？｣
｢ええ！ 今でも大ファンなんだよね！
あ、俺と環も含めてですよ！ ふふっ｣
直球過ぎて恥ずかしい。
そんなにしっかり目を見て言わなくてもいいんじゃないのか。と言うか天喰に至っては前に話したけど少し嫌がられた記憶があるぞ。
目合わせてくれなかったし。
終始、私との会話を早く終わらせたいって感じだった。
｢それは照れてるだけですから大丈夫!!｣
｢照れ？ そうなの？｣
｢そうですよ！ あと彼は元々緊張しぃなんでね｣
嗚呼、成程。
それなら納得かも知れない。
｢で。今回また彼が珍しい事をしたので轟先生に協力して貰いたいんです！｣
｢心配なんだね。いいよ｣
｢ありがとうございます!!｣
バァっと頭を下げられたがすぐに上げさせる。
そんなにすぐ下げていいもんじゃないでしょ。
と肩を叩けば。
急激に真剣な目に変わる通形。
｢騰亜っちが“ボイリング”として緑谷君に指名を入れたのは、気まぐれでも何でもない。彼に特別な何かを感じたからだと思うんです｣
｢うん｣
｢それでも矢張り、人見知りはするし怖がりだから。出来るだけ手助けしてあげたい｣
｢うん。…本当に仲がいいんだね｣
目線を落として呟く。
その小さな言葉を拾ったらしい通形は、綺麗な笑顔のまま言い放った。
｢架け替えのない友ですから!!｣
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よる。(プロフ) - 鈴里風夢さん» コメントありがとうございます！作品を好きになって貰えてとっても嬉しいです(`・ω・´)これからも頑張ります！続編行きますよー！！！ (2017年10月20日 18時) (
レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
鈴里風夢(プロフ) - すごくおもしろいです！！この作品大好きです！続編楽しみに待ってます！！ (2017年10月17日 1時) (レス) id: 442db9e64e (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - りんごさん» り、りんごさん…！いつも熱い応援ありがとうございます(´；ω；`) 遂に６ですね…早いものです… これからも頑張ります！私もりんごさん大好きですよ！！ (2017年10月13日 13時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あわわわわ、遂に６になるのですね。凄いです・・・！よる。さん、愛してます←ぇ ごめんなさい、大好きです。はい。これからも読み続けます！では！ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 1a1ba15a63 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！この調子で頑張っていきます！物凄い亀更新ですぜひぜひ待ってやって下さい… 頑張りますー！！ (2017年10月12日 20時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年7月24日 16時
