姉愛［228］｡紫狙撃者｡ ページ28
no-side
ある高層ビルの屋上。
｢あっいつものAちゃんに戻った！｣
｢嗚呼。これでやっとAさんの本気が見れるな。あんな野郎一網打尽だ｣
嬉しそうに微笑みながら言う2人。
淀んだ黒い夜空の下、似合わない澄んだ水色髪と黒髪を靡かせる。ふと。梛がライフルを右肩に担ぎ立ち上がった。
満足そうな表情で涼羽を見やる。
｢後はAさんに任せよう。帰るぞ涼羽｣
｢えっ、僕仕事中急いで来たのになっちゃんが狙撃するの見学するだけで終わりなの帰るの！？ 僕が来た意味ある!!?｣
…………。
考え込む梛。
｢……無いな｣
｢うわあああ虐めだあああああ｣
嘘臭い泣き真似をしながら、屋上を下る階段へ飛び込んで行った。
特に何も感じない梛は涼羽を追いかける事もせず無表情のまま懐に手を入れる。
プルルルル。
着信で震える携帯画面に目を落とした。
｢もしもし。成功しました｣
嫌そうに、ぶっきらぼうに伝える。
｢アンタに言われた通りのビルの屋上から撃ちました。ドンピシャですよ。こんな絶好の狙撃ポイントよく知ってましたね｣
賞賛など一切含まれていない、寧ろ皮肉っぽく電話相手に言いやる梛は相変わらず不機嫌そうだ。
黒いライフルに映る梛の綺麗な横顔。
無表情が崩れ、眉間にシワが寄った。
｢今何してる……んですか｣
その相手に敬語は慣れないのか、使いたくないのか、渋る。
｢病院？ 嗚呼…………。それは
その、母さんがすみません…｣
とてつもなく嫌そうに謝罪を口にする。
電話相手は軽く笑った。気にするなと。
｢…何で自分で行かないんですか｣
何で俺に頼んで。
自分では助けに行かないんですか？
怪訝そうに梛が問うと、沈黙する。
｢Aさんはアンタのこと心配してますよ｣
『………………』
｢アンタはそれでいいのか｣
『……うん』
ヒュウ、と冷たい風が吹く。
『今はね、A嬢と距離を取らなきゃいけないんだ。今はそう言う時期なんだ。これが俺のやるべき事だから、使命…だからさ』
｢ふぅん｣
相手の囁かな声に耳を傾けつつ、一気に優勢になった路地裏の戦いをスコープ越しに覗く梛。
天哉も立ち上がり加勢。押されるステイン。
その様子を確認し完全に安堵しきった梛は、スコープから目を離した。
また、ふてぶてしく口を開く。
｢あんま縛られるなよ。西宮…さん｣
『！ ……ははっうん。ありがと梛君』
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よる。(プロフ) - 鈴里風夢さん» コメントありがとうございます！作品を好きになって貰えてとっても嬉しいです(`・ω・´)これからも頑張ります！続編行きますよー！！！ (2017年10月20日 18時) (
レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
鈴里風夢(プロフ) - すごくおもしろいです！！この作品大好きです！続編楽しみに待ってます！！ (2017年10月17日 1時) (レス) id: 442db9e64e (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - りんごさん» り、りんごさん…！いつも熱い応援ありがとうございます(´；ω；`) 遂に６ですね…早いものです… これからも頑張ります！私もりんごさん大好きですよ！！ (2017年10月13日 13時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あわわわわ、遂に６になるのですね。凄いです・・・！よる。さん、愛してます←ぇ ごめんなさい、大好きです。はい。これからも読み続けます！では！ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 1a1ba15a63 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！この調子で頑張っていきます！物凄い亀更新ですぜひぜひ待ってやって下さい… 頑張りますー！！ (2017年10月12日 20時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年7月24日 16時
