姉愛［223］｡激的豹変｡ ページ23
出久side
｢っ………｣
脳無ごと遠くのビルに突っ込んで行ったグラントリノ。それを眼で追えば、嫌でも視界に入り込む街の惨憺。爆発を告げる赤い炎。
何だ、これ、保須…だよな？
一体何が起きてるんだ……？
｢そうだ！ 取り敢えずグラントリノっ｣
｢待て出久君｣
｢！！｣
ガシっ、腕を掴まれた。
反射的に振り返る。
｢……騰亜、さん？｣
｢君はここで大人しくしていろ。グラントリノなら大丈夫だ。彼の強さは君も身を持って知っているだろう｣
こ、この人…騰亜さんなのか？
淡々と言葉を吐き出す落ち着いた低い声と尖った目。何より関西弁のなまりが一切抜けたこの喋り方……。まるで別人。
さっき個性を使ったから？ とか。
もしかして戦う時性格変わるとか？
｢俺はグラントリノに加勢しに行く｣
あっ、一人称まで変わってる。
｢あのっ僕も｣
｢駄目だ｣
｢っ！｣
キっと睨まれ、冷淡に見下ろされた。
こんなに冷ややかな表情をする騰亜さんは初めて見た。普段のギャップが余計に怖さと迫力を肥大化させる。
指先が震えた。
｢…分かったらここで待機しとけよ｣
一瞬僕の頭を撫で｢じゃあ｣と残して線路の囲いから身を乗り出したかと思えば。
バっ！
何の躊躇もなく飛び降りた。
｢えぇ！？｣
慌てて騰亜さんの姿を目で探る。と。
忍者みたいな動きでビル伝いにグラントリノが突っ込んだ場所へと走って行く小さな背中があった。
知らなかった。騰亜さんって、
｢あんな動き出来たんだ…｣
いつも僕が見る限りはサポートアイテムみたいなの作ってたから、てっきり戦闘は興味無いのかと。
って、騰亜さんの身の上は後でじっくり聞けばいいだろ！
今は───！
｢……どう、動けばいい｣
どう動くのが最善だ。
考えろ考えろ！
走りつつ頭をフル回転させる。
人混みをかき分けて、騒ぎの元であるそこへ進む。もう1歩、踏み出しかけた時だった。
『私が来た!!!』
スマホが独特の着信音を届けた。
｢！ この着信音は｣
僕は人によって着信音を変えている。
誰からの着信かすぐに聞き分けるために。
大体の人は元々スマホに入っていた機械音なんだけれど、彼女の着信音だけは、オールマイトの肉声に設定していた。
｢お姉さん……｣
貴方だけ。
『出久ごめん。天哉を見失ってしまった。
今梛にも協力して貰って探しているんだけど
一向に見つからない』
｢っ！｣
その文面を全て読み終える間もなく、僕の足は動いていた。
｢飯田君………!!｣
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よる。(プロフ) - 鈴里風夢さん» コメントありがとうございます！作品を好きになって貰えてとっても嬉しいです(`・ω・´)これからも頑張ります！続編行きますよー！！！ (2017年10月20日 18時) (
レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
鈴里風夢(プロフ) - すごくおもしろいです！！この作品大好きです！続編楽しみに待ってます！！ (2017年10月17日 1時) (レス) id: 442db9e64e (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - りんごさん» り、りんごさん…！いつも熱い応援ありがとうございます(´；ω；`) 遂に６ですね…早いものです… これからも頑張ります！私もりんごさん大好きですよ！！ (2017年10月13日 13時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あわわわわ、遂に６になるのですね。凄いです・・・！よる。さん、愛してます←ぇ ごめんなさい、大好きです。はい。これからも読み続けます！では！ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 1a1ba15a63 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！この調子で頑張っていきます！物凄い亀更新ですぜひぜひ待ってやって下さい… 頑張りますー！！ (2017年10月12日 20時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年7月24日 16時
