姉愛［213］｡とうさん｡ ページ13
こんな親父は初めて見た。
｢すまなかった…っ｣
そんな風に語尾を詰まらせる喋り方が出来るんだ。なんて、また嫌味を織り交ぜ思う。
そんな大昔の話私はさっぱり覚えていないし、今迄冬美姉さんからも兄さんからも聞いたことなかったよ。
嗚呼、あの人達もその頃は幼かったから覚えていないだけなのかも。
………。
じゃぁいつも私を見下していたあの目は？
唯の私の勘違いだってこと？ はは、何それ。
“父娘”揃って馬鹿じゃないか。
｢思えば、私は貴方の事をちゃんと見つめた事なんて1度も無かったのかもね｣
｢！ …………｣
｢馬鹿な貴方の立場になって考えれば、父親だと思ったこと1度も無いなんて暴言吐かれたり、殴られたり。本当に殺す気で攻撃されたりしたら普通に嫌だよね｣
けれどそれは、私の立場からしても同じ。
貴方に強いられたあの苦痛の日々はとてもじゃないけど消し去れはしないよ。
貴方も、同じく消し去れないんだよね。
…………本当難しいなぁ。
｢私は貴方がこの世で何よりも嫌いで仕方なかった。だから、眼もちゃんと見ないし黒い感情だけを一方的にぶつけてた｣
少しだけ。1mmくらいだけ負い目を感じる。
｢でもね親父。私も物凄く辛かった｣
｢………あぁ｣
｢焦凍が産まれてから、貴方の行動は更に酷いものに走って行ったから余計に苦しくてさ｣
零して、心臓辺りの服を握り締める。
布にシワがばらっと広がった。
まるで私の心境を表しているよう。
｢本当に、毎日辛かったんだよ…？｣
嗚咽を堪えた。
最近は色んな情報が沢山入って来て、
もう何が何だか分からない。感情も。
立派な情緒不安定だ。
｢……っ、A…｣
歪む親父の顔。
｢本当にすまなかっ｣
｢もういいよ｣
────。
戻っていく嗚咽。
私はもう大人なんだ。子供じゃない。
いつまでも引きづって、拒んで逃げて、迷走してるような馬鹿者じゃないんだから。
｢許すとか許さないとか。
そう言うのじゃないから｣
握り締めていた服から手を離し、膝の上に畳む。それからゆっくり親父の目を見据えて真っ直ぐに応えようと。
私はかわったんだ。
｢もういいんだよ。親父｣
｢……！！｣
｢もう、過去の事でしょ？｣
許す気は無いし、許せないけど。
でも貴方の誠意と本当の優しさみたいなものは今見ることが出来たし。あと、知りたかったんだ。
キラキラした父娘って言うのを。
それを知るにはまず、ね。
｢父さんって……呼んでもいい？｣
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よる。(プロフ) - 鈴里風夢さん» コメントありがとうございます！作品を好きになって貰えてとっても嬉しいです(`・ω・´)これからも頑張ります！続編行きますよー！！！ (2017年10月20日 18時) (
レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
鈴里風夢(プロフ) - すごくおもしろいです！！この作品大好きです！続編楽しみに待ってます！！ (2017年10月17日 1時) (レス) id: 442db9e64e (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - りんごさん» り、りんごさん…！いつも熱い応援ありがとうございます(´；ω；`) 遂に６ですね…早いものです… これからも頑張ります！私もりんごさん大好きですよ！！ (2017年10月13日 13時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あわわわわ、遂に６になるのですね。凄いです・・・！よる。さん、愛してます←ぇ ごめんなさい、大好きです。はい。これからも読み続けます！では！ (2017年10月13日 1時) (レス) id: 1a1ba15a63 (このIDを非表示/違反報告)
よる。(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！この調子で頑張っていきます！物凄い亀更新ですぜひぜひ待ってやって下さい… 頑張りますー！！ (2017年10月12日 20時) (レス) id: 01ec13c248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年7月24日 16時
