音楽少年は…。3【ナカノヒトゲノム】［男主］ (ページ46)

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GAME 11 HIDEOUT 08 ページ46

朔夜said

アカツキくんが発見したその柵はなんとグラグラと揺れるのだった。

朔夜『これ、もしかしたら…』

入出「Aさん、カリンさん！」

更屋敷「なによ…」

アカツキ「ここの柵、少し歪んでます！！」

更屋敷「本当だわ…だけど、それでも狭くない…？」

入出「俺、やってみます」

そう言って挑戦するアカツキ君。

入出「ふぬ…ふんぬぬぬ…」

ぎゅりぎゅりと音を立てながら

ポンｯ

アカツキ君は抜け出せた！

朔夜『おおー！』

入出「ほら、抜けました！これで脱出できますよ！お二人もはやく！」

朔夜『カリンちゃん、先に行って』

更屋敷「は…はいっ……！！」

さて、これでカリンちゃんは檻からもマイナス思考からも抜け出せ……

全員『「………」』

なかった……。

更屋敷「いいわよ！！笑いなさいよ！！」

入出「いや…笑えませんよ…！」

更屋敷「どうせ太ったわよ。ええ知ってますぅ。無駄においしいんだもんここのごはん！」

入出「そ…そうですよね。つい食べ過ぎちゃいますよね」

更屋敷「優しくしないで。本気じゃないくせに！」

朔夜『まあまあ、カリンちゃん。もう1回やってみようよ。今度は抜けるかもしれないよ？』

入出「そうですよ。見たところつかえていたのは胸とお尻で」

更屋敷「うわーん」

ｺﾞｯと、カリンちゃんの拳がアカツキ君の顔に直撃する。

ごめん、アカツキ君。流石にフォローできないよ…。

ガチャガチャ

と扉の音が響く

更屋敷「はやく！かくれて！」

アカツキ君が物陰に隠れたと同時に部屋の主キッカちゃんが入ってきた。

キッカ「あら？もう1匹は？柵を抜けちゃったのかしら」

更屋敷「あ……あんたね、よくも…！」

朔夜『カ、カリンちゃん落ち着いて…』

カリンちゃんが怒って牢の柵に近づくのを抑えようとするも、時すでに遅し、キッカちゃんの手が首元を這い、頬に手を添えられる。

キッカ「ま、もともと欲しかったのはこいつらだし別にいっか。
あぁ、柔らかい…綺麗…。どうさばいてやろうかしら…」

キッカちゃんの真っ黒な目が愛おしそうにこちらを見つめていた。