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道枝side
長尾「もっと自分に優しくなろ？
今日前半終わるまで、俺ら以外誰も駿が体調悪いって知らんかってんで？
そんなけ駿がいつも通りのパフォーマンスをしっかりやってたってことやで？
だからさ、
身体のことも自分のことも責めたりせんと頑張ったやんって褒めてあげよ？」
謙杜は優しいからそう言ってくれてるだけで
今日の俺はみんなが普通にできてることを１つもできてへんかった。
スタッフさんからしたら
裏でげぇげぇ吐くし
1人で着替えられへんし
挙げ句の果てに倒れるしってめちゃ迷惑やん。
ファンの方やって他の日と同じ値段払って今日の1公演を楽しみに学校とかお仕事頑張って見にきてくれてるのに....
こんなにダメダメな自分を褒めるなんて....
そんなんできるわけないっ....
長尾「じゃあ駿は今日、体調悪いしええかって手抜いた瞬間あった？」
道枝「..ないっ.....」
長尾「それで十分やん
確かに俺らよりも体調に左右されること多いかもしれんけど、ファンの人を喜ばせたいって気持ちは誰よりも持ってるやん。
その気持ちで今日も頑張ってたんやろ？」
道枝「んっ...」
そうやけど...
でもやっぱり気持ちだけじゃあかんやん
結果が大事やんっ...
長尾「俺今日ずっと心配やったでっ...
途中で駿の身体が限界なってもうたらどうしよ、トロッコとかリフターの上で倒れたらどうしよ....って
でも最後まで立派にやり切ったやん！！そんな駿のことメンバーとして恋人として誇りに思ってるんよっ.....」
謙杜の目から一粒、また一粒と雫が落ちていく。
長尾「やから駿が自分を責めてるの、俺は辛いっ...」
おれっ、自分の感情にいっぱいいっぱいで
1番大切な人にこんな顔させて....
もう全部あかんやん...
道枝「っ.....けんとっ...ごめっ」
長尾「ぐすっ.....ええんよ、頑張ったな」
道枝「.....うんっ..がんばったっ....」
あーっやっと認めてくれた！！
って嬉しそうに涙を拭う謙杜に心の中でごめんって謝って
道枝「...っ..ありがとっ.....」
ぎゅっ
長尾「わっ....ふふっ、駿は可愛いなぁ」
俺から抱きつけば嬉しそうに抱きしめ返して
駿は駿のままが一番ええからねって。
きっとこの言葉にはいろんな意味が込められてて
身体のことも
弱くてネガティブで、
でも頑固なめんどくさい性格のことも
全部、全部認めてくれてる気がした。
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作者名：みるく | 作成日時：2024年1月14日 10時
