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剣持がそのことを椎名に伝えると、椎名は頭を大きく振った。
「む、無理無理無理!そんな力強いヤツ…てか七不思議封印するとか無理!他当たって!!」
椎名は今にも逃げだそうと後ろを振り向いて歩きだそうとしたがその手を剣持に掴まれて止められてしまった。
「ああもう本当に!貴方しか居ないんですよ!何でもしますから!!」
何でもする、という言葉に椎名はピクリと反応し、抵抗をやめた。
「…何でも?」
あ、と剣持は自分の失言を後悔したが、時すでに遅し。椎名は目を輝かせながら剣持のほうを向いた。
「ふーんそっか何でもかぁ…とりあえず焼肉やろ。あとは…」
「し、椎名さん?」
急に豹変した椎名に剣持は顔をひきつらせながら声を掛けるが椎名は何を頼むかを考えるのに夢中で聞いていない。
「(これ、もしかして人選ミスったか…?)」
椎名の噂はたくさんあるが、彼女はいつも保健室に居たり部屋に引き込もっているから彼女の性格を知るものは少ない。
だから大半の生徒は知らない。椎名唯華は、クズだということに。
「んーそうやなぁ…よし剣持!」
椎名はしばらく悩んでいたが考えがまとまったのか剣持の目を見つめてニヤリと笑った。
「何をおごってもらうかは肝試し終わった後に言うわ。アタシが今要求するのは2つ!」
ビシッと指を二本立てて椎名は言った。
「1つは肝試し中アタシのことを守ること、もう1つは…アタシの相棒になってや!」
「…はぁ?」
相棒になる、という予想外の要求がきて剣持の拍子抜けした声が道路に響いた。
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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時