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「…何処行ったんだ?」
剣持刀也は、椎名唯華を探していた。
あの後友人とすぐに別れ椎名の気配を追っていたが道中の怪異が異常に多く椎名の姿を見失っていた。
「にしても、この量は異常すぎないか?いくら多いって言ったって…」
そこまで言ったところで、剣持は口を閉ざした。
急に、強い怪異の気配がしたからだ。
さっきまではしていなかった気配に加え、その近くには剣持が先程まで追っていた椎名の気配もした。
「まさか…」
最悪の事態を想定して、剣持は気配のするところへ走った。
剣持が着くと、そこには椎名に手を伸ばしている怪異と絶体絶命の椎名が居た。
剣持はチッ、と舌打ちをして、竹刀を取り出し怪異のところへ走った。
そして、椎名へと伸びている腕を切り落とした。
「なんっでこんな状況になってるんですか!仮にも霊媒師って聞きましたよ!?」
「っ…え、?剣持…?」
聞き覚えのある声に反応して、椎名が恐る恐る目を開けると、そこには竹刀を片手に持った剣持が居た。
「(なんで?アタシ、死んだんじゃ…)」
椎名が怪異のほうを視ると、そこには剣持に腕を斬られもがいている姿があった。
「(え、…これ、剣持が?)」
目を見開いて怪異のほうを視ていると、剣持がその視線に気づいて怪異を踏み潰した。
「っは!?」
[ギ…ガァア…]
「煩いですよ化け物風情が」
剣持は怪異を冷めた目で見下した後、竹刀を怪異に突き刺した。
[ガ…ググ…]
やがて怪異は灰になり、椎名と剣持の前から消え去った。
椎名がその様子をぽかんと見つめていると、剣持が椎名のほうを向いてニコリと笑った。
「椎名唯華さん、貴方を探していたんです。」
椎名にとっての剣持は、只の優等生という認識だったが、これを境に只者ではないと悟ったのであった。
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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時