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コール音が鳴り続き、椎名は焦りを感じながらスマホを握りしめた。
「(剣持がやられるわけない…でも…)」
何コールか目、プツリという音がしてコール音が止んだ。
「っは、剣持!?」
廊下を茜と走りながら、後ろの脅威から逃げながら、椎名は一筋の希望に賭けた。
…しかし、聞こえてきたのは聞き慣れた声ではなかった。
『はいはーい!死神さんだよー!』
「…は、?」
聞こえてきた声に、椎名と茜は呆然とした。
『…あれ?聞こえてるー?おーい、っ勝手に人のスマホで通話してんじゃねぇ!!!!』
「…え???」
そして途中から聞こえてきた剣持の声に二人の頭は困惑で埋め尽くされた。
遡るは、少し前。
「よそ見はダメだよー、っと」
「わっ、ぶな」
死神の攻撃をギリギリのところで避けた剣持。次の攻撃に備えて体制を立て直そうとすると死神から拍子抜けな声がした。
「え??え、え??」
「…なんだよ」
「ちょちょちょ刀也センパイやばいよ、私あの悪魔に騙されたかも」
「…はぁ??」
何言ってんだコイツ、と思いながら剣持が死神の指を指す方を見ると、破壊された扉の向こうに広がる虚空。
「…はぁぁあ!!??」
「え、あれここ書斎だったよね、えええどうしよう…」
つまり二人は書斎ごと虚空に飛ばされてしまったと言うわけで、
『…協力して脱出しようってことになったのさ!!』
バーン、と効果音が付きそうな雰囲気で話す死神に二人の…否、椎名の死神のイメージがものすごく崩れた。
終わり←・
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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時