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「…!」

剣持はいきなり感じた悪魔の気配にピクリと反応した。

しかもその気配は椎名の近くということもあって一瞬動きを止めてしまった。

…そしてそれを死神が見逃す訳がなかった。


「あーあ、よそ見はダメですよ〜」


「…ぁ、」


剣持の目の先に映る死神の鎌。
段々と近づいてくる刃は、スローモーションのようにゆっくりと剣持の視界を埋めていった。





「っ…いっだぁ…」


「唯華!」


肩を押さえ崩れ落ちる椎名に茜は駆け寄る。
血が滲む椎名の服を見て茜は元凶の悪魔をキッと睨みつけた。


「っ、このタイミングで…っ」


悔しそうに顔を歪める茜を横目に、椎名は剣持から貰った資料を思い出していた。

洋館にいるのは死神と下級の霊が数体、のはず。

目の前の悪魔は明らかに上位悪魔だ。

剣持の馬鹿野郎、と心の中で呟いて椎名は立ち上がった。

そして…


「っえ、ちょ、唯華!?」


「逃げるで!茜!!」


茜の手を取り走り出した。
椎名の目には涙が浮かんでいる。
ホラー耐性はないのに除霊に来て怪我を負った。正直泣き出したいくらいだった。

それでも、椎名は走った。

死にたくないから、椎名にはまだ、剣持刀也という相棒がいたから。

全力で走りながら、椎名は震える手でスマホを取り出して通話ボタンを押す。


「出て…おいこら…早く…


…剣持っ!」






書斎では、電話の呼び出し音が剣持のスマホから鳴り響いていた。

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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時

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