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ページ35

__書斎にて


「…」


「…」


睨み合う剣持と死神。
互いに一歩も退く気はなかった。


「退いてくれません?お前に構っている暇ねぇんだよ」


「アハハ、急に豹変するじゃん。コワーイ」


煽っている口調に剣持は思わず舌打ちを漏らした。
早く椎名の元へ戻らなくてはいけないというのに最悪の刺客。
剣持のストレスは限界を迎えていた。


「…殺していいよな?」


突如剣持は纏うオーラをどす黒くし、刀で死神の首を狙った。

_勿論、その攻撃は避けられたが。


「殺意高いなーもー、平和にいこうよー剣持センパイ?」


ニコニコと笑う死神に剣持はピクリと反応し、口を開いた。


「さっきから思ってたけど…」


足にぐっと力を入れ、死神の元へ一気に近づき刀を降り被る。


「お前キャラ変わりすぎじゃねえか!!!誰だよ!!!」


「こっちが本物ですー!!君と同じでキャラ作ってたんだよ!!ああ!?」


ギャーギャーと痴話喧嘩をしながら闘う二人だった。

…そしてその二人を見る影は、誰も気がつかなかった。



__リビングにて


「…茜、これだけは勘違いせんといてほしいんやけど、アタシは茜を祓いに来た訳ちゃうからな」


ぱっと茜が顔を上げて困惑の表情で椎名を見つめた。
椎名は茜の目をしっかり見ながら続けた。


「アタシは茜を成仏させる。茜が悔いなくあっちに行けるようにする。だから茜、一緒に…」


「…唯華、」


茜は大きな目を揺らがせていて、その目には水の膜が張っていた。


唯華なら、唯華となら…


茜に芽生えた一筋の光。
ずっとどこかで解放を求めていた少女を照らす光。








…しかし、現実はそう甘くはなかった。


ザシュ、と肉の抉れる音。
茜と椎名の目に映る、真っ赤な鮮血。


「…は、?」


椎名は思わず、そう言葉を溢した。

肩に響く激痛。

椎名は、肩を貫かれていた。

力に飢えた、悪魔に。

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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時

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