【2434】もちもち霊媒事務所【mcmc】 (ページ33)

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＿＿そして、屋敷にて。

「はぁ、さっさと退場願えますかね？死神」

「あーあサイアク、退いてくれればよかったのに」

書斎にて対峙する剣持と死神。

「…唯華、」

「茜。…覚悟はできとる？」

リビングで向き合う椎名と茜。

＿遡るは、1時間前。

「えぇ…雰囲気出すぎちゃう？」

剣持と屋敷に向かった椎名はその外装から怖じ気づいていた。

「ほら、今更やめるとか聞かねえから入るぞ」

「剣持の鬼ぃぃい…！」

そしてだんだんと椎名の扱いに慣れてきた剣持は椎名の言葉を無視して嫌がる椎名を引きずって中に入っていった。

けれども、剣持はちゃんと椎名が除霊をするつもりで来ていることは、椎名の服のポケットから覗くお札を見て分かっていた。

そんな椎名に剣持はフッと笑い、自身の背負っている竹刀入れに意識を傾けた。
普段竹刀をが入っているケースには真剣が入っていた。
剣持も、今回の除霊には力を入れるつもりで来ていた。

なぜなら相手は死神。油断はできない。

そしてもし万が一のことがあっても大丈夫なように剣持はスケットを呼んだ。もしもの時は来てくれ、と。

騒ぐ椎名を引きずりながら剣持は相手と通話する。

「…頼みますよ。お狐様？」

「狐…？はて…?」

通話越しに青年はそう呟き首をかしげた。
しかし、その目は妖しく輝いていた。