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7.西城家 ページ32

椎名と剣持が遊園地に行った数日後。
椎名は剣持を公園に呼び出していた。

「…で、人を呼び出しておいて遅刻かよ」

「悪いとは思っとるよ。やけど謝らんから」

「なんでだよ」

反省どころか胸を張って謝らないの一点張りの椎名に剣持は思わずツッコミを入れたが時間の無駄だと悟り話を進めた。

「遅刻の件はとりあえず置いておくとして…、祓う気になったか?」

口ではそう聞いたものの、剣持は椎名の目を見て答えは分かりきっていた。

「死神は剣持に任せるわ。まだ死にたくないし。アタシは茜を祓う…いや、茜を成仏させる」

椎名の言葉に、剣持は目を見開いて「気づいてたのか…?」と呟いた。

剣持からの称賛の声に椎名はふふん、とドヤ顔をした。

「そりゃあてぃしだって霊能者やし?茜のガワに2つ入ってることぐらいすぐ気づいたわ」

西城茜には、2つの魂が宿っている。
1つは西城茜の魂。
そしてもう1つは死神の魂。
西城茜は西城家の中でも特に強い霊感を持っていた少女で、死神は西城家に憑いていた呪いから生まれたモノだった。
最近活性化してきた理由は西城茜の魂が弱り、死神の自我が強くなったのが原因だった。

「やっぱり茜はアタシの友達やから解放してあげたいっていう気持ちはあるんや。それに…アタシと遊んでたときの茜は本人やって断言できる。茜のことはアタシに任せろ」

覚悟の籠った目で見つめられながらそう言われ、剣持はふっと笑い椎名の頭を両手で挟むように掴んだ。

「それってつまり危険なことは全部僕に回してますよね??」

「えぇ!?い、痛い痛い!!」

満面の笑みで椎名の頭をぐりぐりと手で押す剣持から椎名は逃れようとするが力が強く逃げ出せない。

葛藤しているうちに、剣持はパッと手を離した。

「まぁ、心配しなくても死神はちゃんと祓うし椎名も守るよ」

と、今度は優しく椎名の頭を撫でた。

「…頼りにしとるよ」

椎名は頭を撫でられるがまま、ポツリと呟いた。
その顔はどこか嬉しそうで、照れからか気まずそうに微笑んでいた。

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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時

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