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「へ〜、茜の家ってお金持ちなんや」
「有名な貴族の家らしくてね、今度お家に来てよ。唯華」
補習終わり、椎名と茜は制服のままショッピングモールに来ていた。
タピオカを飲みながら駄弁る二人は今日知り合った風には見えないほど仲良くなっていた。
「唯華は除霊できるんでしょ。すごいなぁ、私は怖くて出来ないや」
「アタシも出来るようになったの最近やからなぁ…それに、今は相棒が居るから怖くないんや」
椎名はストローを触りながら嬉しそうにそう言った。
その姿を見た茜は何かに気がついて口を開いた。
「…唯華の好きな人?」
「うぇ!?ち、違う違う!!」
ニヤニヤと笑いながら問う茜に顔を真っ赤にして否定する椎名。
あまりにも必死に否定する椎名を見て茜は堪えきれずに吹き出した。
「あははっ、唯華動揺し過ぎ!気づいてもらえるといいねぇ〜」
「ちょっと茜!」
椎名はガタン、と立ち上がり反論しようとすると不意に、スマホの通知音が聞こえた。
「ああもう誰…って剣持!?」
椎名がスマホを確認するとメッセージを送ってきたのは剣持だった。
数日ぶりの返信に期待をしてトーク画面を開いた椎名の目に映ったのは『依頼が来た。明日話す。』というメッセージ。
「っ…あんのクソ剣持!!」
椎名はブチッとスマホの電源を切って鞄の中に投げ入れた。
久しぶりなのに、そんな返信ある?とか呟きながらストローに口をつけた。
「剣持…?剣持刀也…?」
「知ってるん?」
茜に剣持の話をしたことがなかったため、少しの驚きを含んだ声で椎名は口からストローを離した。
「名前だけ。有名だしね」
「ふーん…」
剣持有名なんや〜と思いながら椎名はまたタピオカを飲み始めた。
そんな椎名とは裏腹に茜は険しい表情をしていた。
「(剣持刀也、か。ッチ、手強いな)」
茜はギリッと歯を鳴らして顔を歪めた。
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もめん - えのきんきんさん» ありがとうございます! (2022年4月25日 0時) (レス) id: 0e89e6a4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えのきんきん(プロフ) - 最高です……!! (2022年4月23日 22時) (レス) @page33 id: 4af4b18def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もめん | 作成日時:2022年2月20日 1時